少子化時代の多様で柔軟な働き方の創出 ワークライフバランス実現のテレワーク

下崎千代子, 小島敏宏【編著】

• 販売会社／発売会社: 学文社
• 発売年月日: 2007/09/20
• JAN: 9784762017131

商品レビュー

2009/12/31

テレワーク関係の本としてジュンク堂で探していたら
ジェンダーのコーナーにあって、はじめはびっくりしたが
読んでみて、納得する部分が多々あった。

著者自身が女性という事もあり、在宅での働き方の可能性
そして、副題にもあるがワークライフバランスの考え方を提示
女性が非常に多いテレワークにおいて、育児の可能性と就業の可能性を同時に満たす手段として、また高齢者や障害者の方々が通勤せずに、かつ、その知識や創造性を活かして働く可能性をいくつかの事例を紹介して語っていく。

国の政策としても、e-Japan構想においてテレワーク人口の増加を掲げており、法律や実際の設備への補助など着実に成果を上げて、在宅と言う昼間人口の増加を含めたSOHO関係の街おこしも事例が増えつつあり、住居機能の外部化が取り上げられたバブル後期の状況から、街におけるその他の機能すらもそれぞれに外部化を始めて、非常に重層的に空間内を機能が駆け巡っている現実を実感出来ると思う。

著者自身が考えるネットオフィスという形態は非常に興味をそそる、それ自身の紹介や批評に関しては対して取り上げられていないので、現在どのような状態にあり、将来性がどれくらいあるのかは、わからないが
今までSOHOのようなベンチャー型以外では、サブとして在宅テレワークがあった状態を、会社としてのメインを在宅テレワークを据えて、管理や経営の一部を拠点としての空間に残すのみとする試みを行なっている。
単純に、オフィスの機能の外部化という点にとどまらず、全体が外部化していく事で、それが標準となり、在宅ワーク特有の孤独感、差別感が超越されたとの報告がなされている。このような現象はよく建築では報告されているが、地と図反転によって価値観の反転が行なわれている。

また、成長を目指すのではない働き方としての在宅ワークと言う発想は主婦という属性の人間たちのネットワークゆえに発想で、なにかおもしろさを感じた。
成長があまり望まれない経済を見据えた上で、スローの形を前衛的な形で捉えようとする姿勢は、なにか可能性を感じさせるものがあると感じた。

星は3.5くらいの感覚で、将来への期待という事で4つで