商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 王国社 |
発売年月日 | 2007/09/30 |
JAN | 9784860730376 |
- 書籍
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建築について話してみよう
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建築について話してみよう
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商品レビュー
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建築家:西沢立衛の建築の発想についてまとめた著書。 本書では、現代の日本の建築は屋内ばかりが豊かになっているが、屋外の概観は画一化されている。従来の建築においては屋内と屋外、ひいては街全体の連続性が保たれていたが、その連続性が崩壊していることを問題として取り上げている。 日本建築の屋内外の葛藤を乗り越えるべく、西沢は以下2点を意識していると言う。 ①「使いたくなる機能」を備えているか(主に屋内) ②建築物の雰囲気を作り出す =たとえ中には入れなかったとしてもなんとなく感じ取れるもの(例:法隆寺) これらを踏まえて、街全体と調和した建築を目指しているのではないか。 また、全く別の話で印象に残った内容がある。ガラスを用いた透明感についての記述で、人がガラスが透明できれいだと感じる時には、ガラスという異物が景色の間に挿入されているという認識が前提にあって、きれいだと感じるのである。ガラスについての価値観が一変した記述であった。 建築家や建物の名称に明るくなってから、もう一度読みたい作品である。
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今年6月に直島アートサイトめぐりに出かけてから、西沢立衛に対する関心がにわかに高まり、最初の単著である『建築について話してみよう』(2007 王国社)を読んでみた。私のように建築の門外漢にもすぐに理解できるように書かれていて、助かる。 瀬戸内旅行時における彼の作品をSANA...
今年6月に直島アートサイトめぐりに出かけてから、西沢立衛に対する関心がにわかに高まり、最初の単著である『建築について話してみよう』(2007 王国社)を読んでみた。私のように建築の門外漢にもすぐに理解できるように書かれていて、助かる。 瀬戸内旅行時における彼の作品をSANAA名義もふくめ訪問順に挙げると、「海の駅なおしま」(2006)「本村ラウンジ&アーカイブ」(2004)そして「豊島美術館」(2010)である。単純な感想としては、白いものが離島の田舎風景、自然風景の中に無理なく溶け込みながら、それでいてすぐれた違和の感覚もくすぐってくるという感じ。そしてそれは使う人の人数によってまったく異なる様相をもつ。「海の駅なおしま」「本村ラウンジ&アーカイブ」は共に島を訪れる観光客の受け入れ口であり、不特定多数の人が利用するように作られている。だからかりそめの交流ロビーとしての色彩が強い。 これに対して「豊島美術館」は、限られた人数によって体験されるパビリオンで、なんとなく文明の最終形を提示しようとしていると感じた。アーティスト内藤礼の巨大インスタレーション『母型』これ一個だけを展示するシェル型の美術館。いやこれは、どこまでが内容物で、どこからが入れ物なのか判然としない。美術と建築が完全に同化している。そしてその内部に入ったとき、今まで感じたことのない安らぎの体験が待っていた。夢の中か、誕生前の記憶か、死後の予見か? いずれにせよ同じことだろうが、私たち訪問者はシェルの中でしたたる水滴と共に、一時的に俗世間の生をやめることができる。 本書のなかで西沢は「建築物を設計すること、空間を創造することということは、新しい価値観とか、僕らの生き方、考え方を、ダイレクトに表わす」と書いている。そして「あまり建物の用途とかプログラムとか、スペックとか、中のことばかりで建物をつくってしまうのは、よくないと思うのです。やはり建物が背負っている気配というものがどのように環境化していくか、ということも考えねば」と述べている。建物と既存環境がいかに繋がっていくか、著書を読み、作品の中を実地に訪問しながら、作者の思想を明確に受け取ることができた。 ちなみに西沢立衛は横浜国立大学のY-GSA教授である。非常勤の身分で「同僚」を名乗るのはおこがましいが、私のことはともかく意外と横国はいい人材が集まっているように思う。本書の巻頭インタビューは、梅本洋一がインタビュアーを担当している。そして、人材を集めるべく先頭に立って戦ってきたのが梅本である。
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西沢さんの創造性がゴリゴリ伝わってきた。大変刺激的!!建築をやっていないとあんまりしっくり来ないかもしれない。建築関係の雑誌等に単発で載った論考などをまとめたものだから、全てが一本のストーリーで繋がっているとかそういうわけではないけれど、西沢さんの考えは一貫しているのでそういう意味ではひとつながりなのかもしれない。 先日【森山邸】に入ってきたのでその感想も箇条書きで。 【森山邸】の新発見(2回目だったので) ・西沢さんがものすごく手作りだということ ・すべての箱に各々のストーリーがある。森山さんちと賃貸住宅を設計してるような、でも森山さんちを設計してるような。 ・日本建築の根源は採用してる ・だからといって昔の素材、使い方をするわけではない ・開こう開こうとしている ・庭と建物の在り方が爆裂おもしろい ・地面が感じれるってめちゃくちゃ大事 ・庭と開口とプロポーションだけであそこまで辿り着けるか、という壮絶なる感覚 ・西沢さんは生活が箱の外に溢れても良いと考えている ・森山さんそれぞれの行為を建築化している、住まいへ ・どこまでも森山さんちなのである
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