商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2001/07/05 |
JAN | 9784048733014 |
- 書籍
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夜啼きの森
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夜啼きの森
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商品レビュー
3.9
10件のお客様レビュー
-…狭い土地で同じ物を食い、同じ女と番い、同じ墓所に葬られる。憎む相手にも恋う相手にも、同じ血が流れている。それ故に、村人達の憎しみと恋情はごく近しいものとなる。 この村では、欲望も絶望も日常もすべてが共有だ。おそらう夜半に見る夢も。いや、行き着く彼岸さえも。… ...
-…狭い土地で同じ物を食い、同じ女と番い、同じ墓所に葬られる。憎む相手にも恋う相手にも、同じ血が流れている。それ故に、村人達の憎しみと恋情はごく近しいものとなる。 この村では、欲望も絶望も日常もすべてが共有だ。おそらう夜半に見る夢も。いや、行き着く彼岸さえも。… (p.14) 怖い小説だった。 "津山三十三人殺し"とも呼ばれる実際にあった津山事件をモデルにした小説。 大正末期~昭和初期のあまりに閉塞的な村。夜這いの因習によって濃くなりすぎた血。人を除け者にする村人たち。小説全体になんとも言えない恐ろしさが滲み出ている。 序章と終章は、殺戮を行った辰男の姉・さよ子の視点。その他の各章は、辰男の叔父や分限者の妻、拝み屋の娘、村一番の貧乏人の子、辰男の幼なじみなどそれぞれ異なる村人の視点から語られる。 章が進むにつれ、殺戮へと近づき、各村人の視点から見る辰男は確実に凶行へと駆り立てられていく。そうした物語の推移も恐ろしい。 終章で姉・さよ子が語る六十年後の事件も恐ろしい。これにも何かモデルがあるのだろうか。 さらに、さよ子が語る -…女に認められん、世間に認められん、そりゃ、自分で自分を認められんのじゃけん仕方なかろうに。 (p.317) という言葉がもの悲しい。
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「鬼が来るで」「辰男じゃ。糸井の辰男じゃあ」 津山三十人殺しをモデルにした小説です。 職場の先輩からおすすめしていただいて、漸く読みました。 小説なので名前も変えてあるのですが、じめっとした村の人々と風習と、きつい方言がどろどろした空気を伝えてきました。岩井志麻子さすが。 悪意が...
「鬼が来るで」「辰男じゃ。糸井の辰男じゃあ」 津山三十人殺しをモデルにした小説です。 職場の先輩からおすすめしていただいて、漸く読みました。 小説なので名前も変えてあるのですが、じめっとした村の人々と風習と、きつい方言がどろどろした空気を伝えてきました。岩井志麻子さすが。 悪意がすごい。これは狂ってしまう、と思いました。読んでいるこちらまでおかしくなりそう。 虔吉が悲しいです。 「何かしそうな者は、案外何もせん。するのは、一見大人しい害のなさそうな者じゃ」 表紙の満月が目に刺さります。黒詰め襟にゲートル、頭にナショナル懐中電灯、日本刀と猟銃を携えた姿を夢に見そう。。
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「津山三十三人殺し」を題材にしたホラー。中表紙にぎょっとした。森の中に人の顔らしきものがいっぱい浮かんでて怖い。 人の陰口叩くか夜這いするかしか娯楽がないような、そんな閉塞的な村の中で、つまはじき者にされた辰男が凶行に至るまでが描かれている。ねっとりした文章が、村の陰湿な感じによ...
「津山三十三人殺し」を題材にしたホラー。中表紙にぎょっとした。森の中に人の顔らしきものがいっぱい浮かんでて怖い。 人の陰口叩くか夜這いするかしか娯楽がないような、そんな閉塞的な村の中で、つまはじき者にされた辰男が凶行に至るまでが描かれている。ねっとりした文章が、村の陰湿な感じによくはまっている。章ごとに春夏秋冬と季節が廻り、月が満ちていくにしたがって、辰男の狂気も満ちていく。いつ導火線に火が付くのか、じわじわとした恐ろしさがありました。しかし、凶行シーンはわりとあっさりでちょっとがっかり。 この事件自体にも興味があるので、今度関連本を読んでみようと思う。
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