商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 2007/09/10 |
JAN | 9784167705558 |
- 書籍
- 文庫
石のささやき
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
石のささやき
¥806
在庫なし
商品レビュー
3.4
10件のお客様レビュー
アメリカの作家「トマス・H・クック」の長篇ミステリ作品『石のささやき(原題:The Cloud Of Unknowing、英国版:The Murmur of Stones)』を読みました。 ここのところ、アメリカの作家の作品が続いていますね、、、 「トマス・H・クック」は以前...
アメリカの作家「トマス・H・クック」の長篇ミステリ作品『石のささやき(原題:The Cloud Of Unknowing、英国版:The Murmur of Stones)』を読みました。 ここのところ、アメリカの作家の作品が続いていますね、、、 「トマス・H・クック」は以前から気になっていた作家なんですが、これまで読む機会がなく、本作品が初めて読む作品です。 -----story------------- 名作『緋色の記憶』を超える静かな悲劇。名手の最高傑作 息子を事故で亡くし狂気の淵に沈む姉。 その周囲に渦巻く悪意の源を探る弟。 犯罪文学の名手が人間の魂の深奥を静かに描く最新作 姉が壊れはじめたのは、幼い息子を亡くしてからだった。 すべてが取り返しのつかない悲劇で幕を下ろしたあと、私は刑事を前に顛末を語りはじめる……。 破滅の予兆をはらみながら静かに語られる一人の女性の悲劇。 やがて明かされる衝撃の真相。 人の心のもろさと悲しみを、名手が繊細に痛切に描き出した傑作。 解説「池上冬樹」 ----------------------- 2006年(平成18年)に発表された作品… 独特の筆致で描かれる暗くて重くい世界観や、繊細で緻密に描かれた心理描写が印象的でした、、、 好き嫌いが別れる作品でしょうね… ジャンルはミステリというよりも、現代文学っぽい感じでしたね。 「おまえ」と語られる現在と、「わたし」が振り返って語る過去の回想という二重の構成で進むストーリーも独特でしたね、、、 精神を病んだ父から解放され、自由に、幸せになるはずだった姉「ダイアナ」… しかし、その息子「ジェイソン」が池で溺死したことをきっかけに、悲劇が幕を開ける。 「ジェイソン」の死は事故だったのか、それとも事件… 統合失調症だった「ジェイソン」は、恐れていた池に自ら近付くことはなかったことから、「ダイアナ」は夫「マーク」が殺したに違いないと疑いを持つ、、、 そして、亡き父の死に疑惑を持ち、当時の「ダイアナ」の行動を疑う「デイヴィッド」… すべてが終わってしまった今、刑事の取調べを受けつつ、「デイヴィッド」は家系に流れる忌まわしい血について、静かに回想を始める。 悲劇の発端からエピソードが順々に語られるのですが… 私の読解力が足りないのかもしれませんが、真相は何だったのかは最後まで理解できなかったですねぇ、、、 消化不良な感じはしましたが、心が揺さぶられる何かがあるのも事実… 不思議な魅力を持った作品でした。 以下、主な登場人物です。 「わたし」 デイヴィッド・シアーズ。弁護士 「ダイアナ・シアーズ」 わたしの姉 「マーク・リーガン」 ダイアナの前夫。生化学者 「ジェイソン」 ダイアナの息子 「ピートリー」 刑事 「アビー」 わたしの妻 「パティ」 わたしの娘。高校生 「チャーリー」 わたしの事務所の共同経営者 「ニーナ」 チャーリーの娘 「エド・リアリー」 わたしのクライアント。離婚調停中 「エセル」 エドの妻 「スチュアート・グレース」 高名な刑事専門弁護士 「ダグラス・プライス」 石のつぶやきについての冊子を書いた男
Posted by
弁護士デヴィッドの姉が壊れはじめたのは、幼い息子が亡くなってからだった・・・。家族と夫婦間の不審と疑惑が徐々に充満し、破滅の予兆をはらみながら展開する悲劇の物語。 殺人課刑事ピートリ-とデヴィッドとの回想によって、事故から事件へと変貌し、胸が締め付けられる衝撃の真相へと突きすすん...
弁護士デヴィッドの姉が壊れはじめたのは、幼い息子が亡くなってからだった・・・。家族と夫婦間の不審と疑惑が徐々に充満し、破滅の予兆をはらみながら展開する悲劇の物語。 殺人課刑事ピートリ-とデヴィッドとの回想によって、事故から事件へと変貌し、胸が締め付けられる衝撃の真相へと突きすすんでゆく、 前作『緋色の迷宮』の流れをくむ因縁深いサスペンス・スリラ-です。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
しょっぱなから肉を骨からこそげとられて食われた痕跡のある人骨の写真をFAXしてくるダイアナが壊れすぎ。「この壊れっぷりで序盤か!」と恐れ慄いた。 親父が統合失調症で暴れまくり、幼い主人公は震え、頭のいい姉のダイアナがなだめる役割だった。親父の介護から解放され、結婚して息子もできたが、その息子も統合失調症だった。その息子が池でおぼれ死ぬ。そこからダイアナは壊れ始めた。 一番怖いのは引用と引用元だけで会話を成り立たせると言うところ。今まで読んだクックの作品の中で一番怖い。非人間的なまでに狂気全開。たぶん統合失調症について相当取材したんだと思う。 文中「ちゃんとした目的をもって行動しているのに、他人からは狂気以外の何物にも見えないことがある」とダイアナは言っている。それはまさにダイアナのことで、主人公だけでなく読者も最後まで気づかない。 親父もダイアナもダイアナの息子ジェイソンも、そして主人公も声が聞こえていた。それを踏まえると、挿入されている二人称部分は最初は他の作品でもあったクックの演出だと思っていたが、そこの視点は「声」じゃないかと気づいた。
Posted by