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せめて一時間だけでも ホロコーストからの生還
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 慶應義塾大学出版会/慶應義塾大学出版会 |
発売年月日 | 2007/07/20 |
JAN | 9784766414028 |
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せめて一時間だけでも
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せめて一時間だけでも
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商品レビュー
4.7
4件のお客様レビュー
この本に出て来る人は不思議と有名人や回想録の邦訳がある人がいるので意外と人間関係が分かりやすい。 この本の「零時」のあとの紹介では出て来ないが、DDR時代のフンボルト大学教授になったヴォルフガング・ハーリヒはKPDと関わりを持った脱走兵なのに「普通の脱走兵」と違ってギロチン台...
この本に出て来る人は不思議と有名人や回想録の邦訳がある人がいるので意外と人間関係が分かりやすい。 この本の「零時」のあとの紹介では出て来ないが、DDR時代のフンボルト大学教授になったヴォルフガング・ハーリヒはKPDと関わりを持った脱走兵なのに「普通の脱走兵」と違ってギロチン台にも強制収容所にも執行猶予部隊にも送られずに禁固3か月で済んだのは両親が有名人だからだろうか? ルート・アンドレアス-フリードリヒの「ベルリン地下組織」という邦題の日記はDDR時代の有名人ローベルト・ハーヴェマンが摘発された時に匿っていたユダヤ人の仮名を日記に記したと批判しているが、当の本人がコンラート・ラッテを仮名の「コンラート・バウアー」で書いている事は、この本には出て来ない。アンドレアス-フリードリヒの本の邦訳が出た時点では「コンラート・バウアー」は公表されるのを拒んだとあるのに、娘から家族について聞かれて心境に変化があったのが分かる。 「零時」のあとのドイツで経歴を築いたラッテと違って、長い間ドイツとは絶縁していたアニタ・ラスカー-ウォルフィッシュとはブレスラウ時代の友人なので登場する。フランス語が話せるのでフランス人と称してブレスラウから脱出しようとしたとあるので、アウシュヴィッツでアルマ・ロゼの囚人オーケストラでフランス人の「編曲が出来るハスキーな声のシャンソン歌手」ファニア・フェヌロンと親しくしていたらしいが、彼女の回想録で自分と姉が「傲慢なドイツ人」と酷評されているので抗議をしたらしくフェヌロンの本の邦訳では「ドレスデン出身」の仮名扱いになっている。 ラッテがユダヤ人学校でマイモニデスをラムバムと呼ぶのを習っていたので牧師が持っていた蔵書を言い当てて「ゲスターポのスパイでないという検査を無意識に通った」という個所がある。ラッテがマイモニデスを原語のアラビア語やヘブライ語訳の書名を読めるとは思えないので、おそらくドイツ語訳だろう。と同時に公然とマイモニデスの著書を書棚に並べていてもゲスターポがやって来るわけではないのも分かる。
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戦争の手記は読んでいる間中つらいのだけど、夏になると読まずにはいられません。ホロコーストを生き抜いたユダヤ人の手記は何冊か読みましたが、一人一人の体験は似ているようでいて全く違っていて、読むたびに人間や運命について深く考えさせられます。 この本は、まず作者の個性が独特です。「せめ...
戦争の手記は読んでいる間中つらいのだけど、夏になると読まずにはいられません。ホロコーストを生き抜いたユダヤ人の手記は何冊か読みましたが、一人一人の体験は似ているようでいて全く違っていて、読むたびに人間や運命について深く考えさせられます。 この本は、まず作者の個性が独特です。「せめて一時間だけでも」というタイトルは、「もうダメだと思う状況でも、せめて一時間だけでも、時間を稼ぐべきだ」というポリシーに由来しています。そしてまさにそのポリシーが、作者を助けます。自分自身でも述懐していたように、「戦後、ユダヤ人だと告白しても信じてもらえなかった」そうです。そうなんです。収容所へも行かずドイツ国内で仕事をして暮らして戦争を乗り切っただなんて、私も信じられません。でも本当です。それには、彼に力を貸したドイツ人が何十人といたことがわかります。その事実だけでも、もう少し人間を信じてみようという気になりませんか? おまけとして、作者の知り合いのラスカー姉妹についての記述が出てくるのですが、この姉妹は別の本「チェロを弾く少女アニタ」で自分自身の体験を語っています。そちらも併せて読んでみると、別の楽しみがあるかと思われます。
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ホロコーストからの生還のストーリーはどれも読んでいて正直しんどい。でも歴史から目を背けない方がよい。21世紀に日本人であることの幸せがわかる。 ユダヤ人であるというだけで迫害され、そのユダヤ人を純粋な気持ちで救っていたドイツ人がいたことも大切。 自分がユダヤ人という言葉はすでに烙...
ホロコーストからの生還のストーリーはどれも読んでいて正直しんどい。でも歴史から目を背けない方がよい。21世紀に日本人であることの幸せがわかる。 ユダヤ人であるというだけで迫害され、そのユダヤ人を純粋な気持ちで救っていたドイツ人がいたことも大切。 自分がユダヤ人という言葉はすでに烙印となっていた。この言葉は排斥され追放される元凶だった。 救いを必要としている人が、そこにいたから救ったドイツ人。 自分の行動が危険であるかどうかはあとから考えた。 追い詰められたユダヤ人の苦境が目に入り、次に支援に伴う自らの危険を察知した、というのが実情だった。
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