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ベートーヴェン〈不滅の恋人〉の探求 決定版 平凡社ライブラリー599
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ベートーヴェン〈不滅の恋人〉の探求 決定版 平凡社ライブラリー599

青木やよひ(著者)

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ベートーヴェン〈不滅の恋人〉の探求 決定版 平凡社ライブラリー599

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 平凡社/平凡社
発売年月日 2007/01/13
JAN 9784582765991

ベートーヴェン〈不滅の恋人〉の探求 決定版

¥1,320

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5

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2018/06/22

長らく謎であったベートーヴェンの不滅の恋人が、現代の日本女性による論理的実証的調査により突き止められる!エキサイティングなミステリーを読む楽しさ。 併せて、ベートーヴェンが恋に惑ったり落としどころをさぐったり立ち直ったりの大人の男性として人間的に描かれていて身近に感じられたのも収...

長らく謎であったベートーヴェンの不滅の恋人が、現代の日本女性による論理的実証的調査により突き止められる!エキサイティングなミステリーを読む楽しさ。 併せて、ベートーヴェンが恋に惑ったり落としどころをさぐったり立ち直ったりの大人の男性として人間的に描かれていて身近に感じられたのも収穫。

Posted by ブクログ

2016/02/07

 「楽聖」ベートーヴェンこそ、まさにクラシック音楽の崇高さの中心。ベートーヴェンは文字通り神格化されてきた。彼こそは啓蒙主義的倫理の体現者であった。  ところが、近年、演奏の分野において、そのような「楽聖」の偶像を破壊するような実践が増えている。当時の楽器や演奏習慣を見直して、ロ...

 「楽聖」ベートーヴェンこそ、まさにクラシック音楽の崇高さの中心。ベートーヴェンは文字通り神格化されてきた。彼こそは啓蒙主義的倫理の体現者であった。  ところが、近年、演奏の分野において、そのような「楽聖」の偶像を破壊するような実践が増えている。当時の楽器や演奏習慣を見直して、ロマン派以来の演奏実践の「常識」を再考しようという、いわゆるオリジナル楽器運動に影響された演奏である。重厚、深遠、雄大なベートーヴェンのイメージをいったん取っ払い、楽譜に虚心に向かって出てきた音は「楽聖」ベートーヴェンとはちょっと違った、もっと人間的で生き生きとしたものだった。  実際、ベートーヴェンは聖人君子ではなかった。あまり親しくない人々からは、かなり付き合いづらい人間と思われていた。他方、親しい間柄には極めてうち解けた姿を示すエピソードにも事欠かない。そんなベートーヴェンの姿を、精神分析的な解釈法を使って生き生きと描き出したのがメイナード・ソロモンの『ベートーヴェン』であった。  ベートーヴェンは芸術に身を捧げた天才とみなされたので、有名な《不滅の恋人》への手紙も伝記作者にとっては扱いに困るもの、いわば騎士道的な崇高さでオブラートされてきたといえるだろう。ところが、この《不滅の恋人》、実は、人妻アントーニア・ブレンターノだったという説を提出したのがソロモンである。ところが、本書の著者、青木やよひ氏は、1959年にまったくアカデミックではない形で、しかも日本語でということで、世界的に注目されうべくもなかったが、アントーニア説を世界で初めて提唱した人なのだ。  本書は2001年に講談社現代新書から出された同名書の改訂版。どうして改訂されたかというと、全書出版後すぐに新資料が見つかったのである。その資料の登場で、筆者の主張はいささかなりとも変更されるところはなく、むしろ、筆者の見解を見事に補強するものであったが、それに伴って後半は大幅に改稿されている由。結論だけを重視するなら、この「決定版」には講談社現代新書版に付け加える何ら新しい主張はない。  青木氏が《不滅の恋人》問題に関心を持ったのは、ベートーヴェンが《不滅の恋人》と呼んで永遠の愛を誓った女性とはどんな人だったのかという好奇心からだったというが、読者もその好奇心から読み始めればいい。  ベートーヴェンがそうとう真剣になったもうひとりの女性にヨゼフィーネ・フォン・ブルンスヴィック(後のダイム夫人)がいる。いわゆる傑作の森の作品群は彼女への愛によって高揚した創造性が関与しているものと考えられる。ヨゼフィーネと結婚とまではいかずも、一緒に暮らすといった可能性が潰えたあと、彼はアントーニアと知り合う。そこで彼はいったんは幸福な未来を描き、交響曲第7番や第8番が生まれる。しかし、二人の仲には重大な障害が現れる。手にはいる資料を駆使して、彼ら何が起こったかを描き出す筆者の説得力ある推測は、実に見事。いや、やはり事実がそうだったのだろうと思わせる。新資料も当事者の声を伝え、胸を打つ。運命はあの交響曲を書いた4年後に、不意打ちで扉を叩いてきたのである。そして彼は苦悩のすえ、ある諦念に達し、「後期」の作品が生まれるという、ベートーヴェンの内面に迫った伝記になっているところが本書の読みどころで、もはや恋人当ての好奇心から遙か深みに連れて行かれるのである。  さて本書を読むお供に、「恋人に」「希望に寄せて」「遙かな恋人に」などが収録されたベートーヴェン歌曲集を是非ご用意下さい。

Posted by ブクログ

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