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一般システム理論 その基礎・発展・応用
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 1990/08/01 |
JAN | 9784622025221 |
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一般システム理論
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ベルタランフィが一般システム理論をどう捉え、どういったものを目的としているかが書かれている。 一般システム理論は古典的なテーマだが、インターネットで得られる情報から理解をすると解釈を誤る可能性が高いように思う。この理論の方向性を正確に捉えたいならば必読であり、この理論に関連する有...
ベルタランフィが一般システム理論をどう捉え、どういったものを目的としているかが書かれている。 一般システム理論は古典的なテーマだが、インターネットで得られる情報から理解をすると解釈を誤る可能性が高いように思う。この理論の方向性を正確に捉えたいならば必読であり、この理論に関連する有名な理論も併せて紹介されるので、とても為になる。 本書は10章から構成されている。 第1章 序論 第2章 一般システム理論の意味 第3章 いくつかのシステム概念の初等数学的考察 第4章 一般システム理論の進歩 第5章 物理学的システムとして考えた生物体 第6章 開放システムのモデル 第7章 生物学におけるシステム理論のいくつかの側面 第8章 人間の科学とシステム概念 第9章 心理学と精神医学における一般システム理論 第10章 カテゴリーの相対性 一般システム理論が持つ意味についての記述では、異なった学問の分野に構造上の類似や同型性を見つけることができ、オーガナイズされている複雑性が現代科学に課せられた根本課題であると主張される。 > 一般化されたシステムあるいはその部分クラスのシステムに,それらシステムの特殊な種類や成分要素の性質や,要素かんの関係や「力」の如何にかかわらず適用できるモデルと原理と法則が存在する.多少なりとも特殊な種類のシステムの理論でなく,システム全般に使える普遍的な原理の理論が当然要求されることになる. > このようにして私たちは一般システム理論と呼ばれる新しい分野を設定することになる.その主題は「システム」一般に対して使える原理を定式化し,導きだすことである.(一般システム理論の探究 p.32) 一般システム理論は唯一のアプローチではなく、同様のアプローチで展開された理論は以下のようなものがあるという。 > 関連のある現代的なアプローチはほかにもたくさんあって,たとえばもっとも重要なものだけあげてみても情報理論,サイバネティクス,ゲーム理論,決定理論,ネット理論,確率理論モデル,オペレーション・リサーチなどがある.(一般システム理論の目的 p.35) 第3章「いくつかのシステム概念の初等数学的考察」では、多変数の微分方程式を展開していくことによって、定常状態、生長、アロメトリー方程式、階層的秩序などに触れている。生気論などによって誤って解釈されているとする目的性について、システムの定常状態の式から以下のような解釈をする。 > 擬人的な解釈が誤った考えにおちいっていることは容易にわかる.最小作用の原理やそれに関連した原理は要するに,もしシステムが平衡の状態に近づけば導関数が0になるという事実から出てくる結果にすぎない. ... これらの変数を作用とか束縛力とか仕事等々の擬人的な言葉で呼ぶときにはじめて,物理学的作用の中にみかけ上物理学的過程の目的論が現れてくるのである. (目的性(終局性) p.70) この数式による議論の展開は、一般システム理論が意味のない類推に終わったり、空疎で表面的な相似を求める危険性があるという反対意見に対して有効な立場であり、議論を精査するのに重要な観点である。 また、一般システム理論の発展については、現代の Categories for AI のような趨勢を言い当てた予測になっている。 > 一般システム理論とは,その発展した形においては,いわゆる「カテゴリー理論」(N. hartmann, 1942)を一つの論理 - 数学的な体系によって置き換えたようなものとなるであろう.いまはまだ普通の言葉で表されている一般的な概念が,数学的な言葉によってのみ可能な,曖昧でなくて正確な表現を獲得するようになるであろう.(科学の統一性 p.79) 第5章以降は、開放システムの動的平衡、社会学、精神病理学と個別のテーマに焦点をあてた記述が続き、第10章では締めくくりとしてやや哲学的な議論が展開される。
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構造主義を数学的、物理的、生物学的観点から理解できた。橋爪大三郎のはじめての構造主義で語られている、数学との関連をより知ることができた。また、一般システム理論の概要を知ることは、社会学的なシステム思考をする上で重要。
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システム・シンキングとかに興味があるので、一応、原典にもあたっておくか、という軽い気持ちで読み始めたが、これは大変な本であった。 この本は、1968年にでているのだが、内容的には、タイトルどおり、一般システム理論の基礎と発展、応用に関する論文集で、一番、古いのは、1940年の...
システム・シンキングとかに興味があるので、一応、原典にもあたっておくか、という軽い気持ちで読み始めたが、これは大変な本であった。 この本は、1968年にでているのだが、内容的には、タイトルどおり、一般システム理論の基礎と発展、応用に関する論文集で、一番、古いのは、1940年のものであり、もっとも包括的な論文は、1945年に既に書かれている。 しかし、その1945年の時点で述べられているパースペクティブのなんと広いことか! ここでは、いわゆるシステム論だけではなく、ゲーム理論や意思決定論、組織論など、つまり還元主義的ではなく、要素間のインターアクションを考慮するアプローチが広く一つのフレームのなかでおさめられている。 1945年といえば、ゲーム理論もまだまだでたばかりで、ナッシュの非協力ゲームの均衡(ナッシュ均衡)に関する論文もまだかかれていない。 さらには、非線形科学、複雑系的な問題意識もきわめて明確に述べられている。 経済学の要素還元主義、経済人仮説などに疑問をもって、限定合理性、ゲーム理論、システム理論、複雑系と関心領域を広げてきた自分にとっては、こうした問題意識が、1945年にここまでしっかり整理されているのは、本当に驚いた。 自分が、ぼんやりと考えていたことが、全部、ここに書いてあるではないか! 文系の私には、難しいところも多々あるが、方法論や世界の見方として、ときどき戻ってくるべき原点ともなる本だと思った。
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