賭博者

フョードル・ドストエフスキー(著者), 原卓也(著者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社/新潮社
• 発売年月日: 2005/04/01
• JAN: 9784102010082

商品レビュー

2010/05/28

ルーレットに取り付か…

[文庫ＯＦＦ]

ルーレットに取り付かれるロシアの青年の話。取り付かれたようにルーレットをする人たちの描写は鬼気迫るものがある。

2010/05/28

賭博でお金に困った賭…

[文庫ＯＦＦ]

賭博でお金に困った賭博者ドストエフスキーが、口述し秘書に速記して完成された作品です。賭博の魔力にとりつかれ身を滅ぼしていく青年を通して、ロシア人に特有の病的性格を浮彫りにします。著者の体験にもとづく異色作品です。

2024/07/31

ギャンブルの怖さがよくわかる小説。ドストエフスキーが、債権者である出版人に苦しめられて、わずか27日の口述筆記によって完成。そのため、とっ散らかった序盤の読みづらさや、登場人物によっては行く末が尻切れトンボな人もいますが、著者のギャンブル経験あっての迫真な賭けのシーンは十分楽しめました。

あらすじ:
家庭教師のアレクセイ・イワーノヴィチは、金策にパリなどを駆けずり回り、南ドイツのカジノがある観光地に滞在している雇い主の将軍一家に合流します。この将軍、借金だらけで、フランス人債権者のデ・グリューに首根っこを抑えられている始末。頼みは、危篤状態の資産家のお祖母さんの遺産。それが手に入れば全額返済しても余裕な莫大な金額なため、遺産を手にマドモアゼル・ブランシュとの結婚を考えていたのでした。一方、将軍の義理の娘ポリーナに恋焦がれるアレクセイは、遺産がポリーナに与える影響をフランス人債権者のデ・グリューとの関係を勘ぐってヤキモキします。そんな折、お祖母さんが皆の宿泊しているホテルに現れて、亡くなるどころか健在ぶりを披露。アレクセイを伴ってカジノに行き、ルーレット勝負に大金を賭けはじめて…。

ギャンブルではアルアル話しの心理面の変化が、著者自身も賭博者だけに、なんとまあリアルな書きっぷり。賭けにハマって行く過程やスリル、そして運に見捨てられて破滅に至る終局や、勝っても負けてもお金に群がる人たち…そんな悲喜交々がドキドキしながら味わえました。やっぱりギャンブルは胴元が儲かるようにできてるんですね。読書中は某有名通訳もこんな感じだったのかなと脳裏をよぎったのでした。