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四日のあやめ 新潮文庫
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四日のあやめ 新潮文庫

山本周五郎(著者)

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四日のあやめ 新潮文庫

825

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商品詳細

内容紹介 内容:ゆだん大敵. 契りきぬ. はたし状. 貧窮問答. 初夜. 四日のあやめ. 古今集巻之五. 燕. 榎物語
販売会社/発売会社 新潮社/新潮社
発売年月日 2003/11/01
JAN 9784101134284

四日のあやめ

¥825

商品レビュー

3.5

6件のお客様レビュー

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2022/11/03

足かけ16年の発表年代順に並べた中編集。ふだん時代小説は読まないが楽しめた 読みかけで20年くらい放りだしてあったのだが、冒頭の『ゆだん大敵』はよく覚えていた。日頃は昼行灯でいざとなるとすごい剣士だとか、おじさんのファンタジーだけれど 気に入ったのは『貧窮問答』。主人公にはこ...

足かけ16年の発表年代順に並べた中編集。ふだん時代小説は読まないが楽しめた 読みかけで20年くらい放りだしてあったのだが、冒頭の『ゆだん大敵』はよく覚えていた。日頃は昼行灯でいざとなるとすごい剣士だとか、おじさんのファンタジーだけれど 気に入ったのは『貧窮問答』。主人公にはこれでいいのかと突っ込みたくなるが、それでもなお爽快である。あとは『燕』。よい技巧だと思う

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2022/08/28

江戸時代の人々の生き様を書いたフィクション。 この著者の作品は初めて読んだような気がするが面白い。武士であれ庶民であれ、悲哀の中でも真っ直ぐに生きていこうとする姿が印象的。第二次世界大戦の戦火をくぐり抜けた著者が戦後に書いた作品であることを解説で言及されているが、なるほど、その体...

江戸時代の人々の生き様を書いたフィクション。 この著者の作品は初めて読んだような気がするが面白い。武士であれ庶民であれ、悲哀の中でも真っ直ぐに生きていこうとする姿が印象的。第二次世界大戦の戦火をくぐり抜けた著者が戦後に書いた作品であることを解説で言及されているが、なるほど、その体験が作風に出ているのかもしれない。

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2021/12/09

江戸時代を舞台とした時代小説の短編集である。最初の短編は「ゆだん大敵」である。ここでは武士道を究めるストイックさが描かれる。名人とは、仙人のような存在になる。右肩上がりに拡大する感覚とは正反対である。 ストイックな美しさは料理にも表れている。粗末な食材を使うからこそ美味しい、それ...

江戸時代を舞台とした時代小説の短編集である。最初の短編は「ゆだん大敵」である。ここでは武士道を究めるストイックさが描かれる。名人とは、仙人のような存在になる。右肩上がりに拡大する感覚とは正反対である。 ストイックな美しさは料理にも表れている。粗末な食材を使うからこそ美味しい、それこそが食事であるという。「材料が粗末なだけ、それを大切に活かすつつましい心が籠っていて、どんな珍羞も及ばない豊かな深い味を創り出している」(22頁)。食材の価格と味が比例するというような浅ましい拝金主義を否定する。 表題作の「四日のあやめ」は何が正しい選択なのか考えさせられる。六日のあやめは遅すぎて意味がないという、たとえである。四日のあやめは逆に早すぎるということになるだろう。最善手は私闘を防ぐことだろう。私闘に参加しなかったから良かった、良かったとは本来ならない。上位者ならば私闘が起きたことに対する管理責任が問われる。もっとも、それでは夫婦の物語にならない。 「貧窮問答」は御家人の屋敷に奉公する臨時雇いの中間の話である。だまされる話かと思いきや意外な結末になった。よくある人情物のように見えながら、意外な結果になる。最後の「榎物語」は恋愛物である。愛の力を描く話を予想させたが、シビアな結末になった。

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