- 新品
- 書籍
- 書籍
フランスの景観を読む 保存と規制の現代都市計画
2,750円
獲得ポイント25P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 鹿島出版会/鹿島出版会 |
発売年月日 | 2007/05/30 |
JAN | 9784306072589 |
- 書籍
- 書籍
フランスの景観を読む
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
フランスの景観を読む
¥2,750
在庫なし
商品レビュー
4.5
2件のお客様レビュー
フランスの景観に関する制度について、法体系と運用、内容がかなり細かく紹介された本で、極めて興味深い内容です。 ありていに言えば、丸々一冊が壮大な「出羽守」で、翻って日本でどうアプライさせられるかを示せているわけではありませんが、一つの体系を客観的に見ること自体意義深いことである...
フランスの景観に関する制度について、法体系と運用、内容がかなり細かく紹介された本で、極めて興味深い内容です。 ありていに言えば、丸々一冊が壮大な「出羽守」で、翻って日本でどうアプライさせられるかを示せているわけではありませんが、一つの体系を客観的に見ること自体意義深いことであると思います。 特に、制度については極めて公権力が強く、また地方政府に対して中央政府が決めていることの多さに驚きます。(大陸法ってこういう感じなんでしょうか?)例えば、保全地区で「取壊しが求められる建物」という項目があって、それに指定されると、運用上は「今後、修理をする際に建設許可証を交付せず、老朽化により自然消滅を待つという苦肉の策を講じている」そうですが、「苦肉の策」といっても私の感覚からすると相当衝撃的です。 【以下私見】 では、日本で(あるいは一般的に)景観に関する制度をどう考えれば良いか? それは2点のテーマに集約されて、 1.「良い景観は公益である」という感覚を世論に醸成させること。 2.しかし、そもそも「公益となりうる良い景観」というのは存在するのか? にあると思います。 1点目は公が仕組むことでも、大きな時代のうねりの中でも、この先変わっていくことでしょう。 しかし2点目は難しく、簡単に言うと「クラシック音楽こそ聴くべき音楽、と声を張って言えるか?」ということで、伝統的で調和のとれた、環境に優しい景観が多くの人に支持されるかもしれない一方、タイムズスクエアや九龍城や千と千尋の神隠しのような景観もまた文化であり、これらが両立できない場合どうするか、ゾーニングをしても根本では解決できない問題です。丁度先日、北斎の富士山画の手前に電柱電線とカラスを配置した絵に対して「これはこれで格好良い」という意見が結構ありましたが、感覚が絡む問題だからこそ難しい問題です。 景観は文化そのものだと思います。この本を読んで余りの規制の多さにびっくりしますし、自分が家を建てるにも屋根の勾配やファサードの材質、開口部の形状などありとあらゆることが制度で既に決められていることに嫌になると思います。しかし、それがフランスのその街並みの中に建てるとしたら、感じていた抵抗感も多分に薄れることと思います。Googleストリートビューでフランスの大都市郊外にある一軒家の家並みを見るとそう思えてきます。文化が制度を作ったのなら、その制度に従うのも文化の中で暮らしているだけの穏やかなことなのかもしれません。私はこの本を読んで、個別具体的な制度の内容云々もさることながら、そういったことを深く考えさせられました。
Posted by
‘はじめに’を読んですでに☆5つと決めた。 フランスの「建築に関する法律」の第一条を知って著者同様に驚く。「建築は文化の表現である。建築の想像、建設の質、これらを環境に調和させること、自然景観や都市景観あるいは文化遺産の尊重、これらは公益である」(第一条)。建築を‘公益’と定めた...
‘はじめに’を読んですでに☆5つと決めた。 フランスの「建築に関する法律」の第一条を知って著者同様に驚く。「建築は文化の表現である。建築の想像、建設の質、これらを環境に調和させること、自然景観や都市景観あるいは文化遺産の尊重、これらは公益である」(第一条)。建築を‘公益’と定めたフランスは、まさにお手本の国である。パリなどは、理想が現実となった街と言っても過言ではないと感じる。コルビュジエの著書『ユルバニスム』は都市計画の著書であるが、この言葉はバルセロナの人のウルバニサシオンから来ていることを初めて知った。また、コルビュジエのヴォアザン計画のヴォアザンは、「近隣の」という意味だと知った。フランスの建造物監視官は、適さない場合建物を建てさせない権限を持っていることに驚いた。また、フランスで建築士になるには、ボザール(国立美術学校)を卒業しなければいけないことを知り、日本よりはるかに難しいということがわかった。美しい街並みを保存する上で、フランスでは、広告や看板にかなり厳格な規制を設けていることがわかった。そのおかげで商業的要素が盛り込まれても、景観の美しさを保てているのだと改めて認識した。将来は、フランスに住みたくなった。
Posted by