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伊丹十三の映画
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伊丹十三の映画

「考える人」編集部【編】

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伊丹十三の映画

3,630

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/新潮社
発売年月日 2007/05/25
JAN 9784104749027

伊丹十三の映画

¥3,630

商品レビュー

4.4

7件のお客様レビュー

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2023/04/05

ノーベル賞受賞者である大江健三郎が亡くなり、その大江さんの松山東高校時代の友人でかつ義理の兄でもある伊丹十三が、亡くなって四半世紀(25年)が経過していることに気づかされました。面白かった伊丹映画の数々の記憶が、徐々に薄れつつある中で、読み返す、伊丹十三の映画のあれやこれや、であ...

ノーベル賞受賞者である大江健三郎が亡くなり、その大江さんの松山東高校時代の友人でかつ義理の兄でもある伊丹十三が、亡くなって四半世紀(25年)が経過していることに気づかされました。面白かった伊丹映画の数々の記憶が、徐々に薄れつつある中で、読み返す、伊丹十三の映画のあれやこれや、であります。★四つです。

Posted by ブクログ

2014/06/05

膨大な関係者の証言によって、伊丹十三の人となりやこだわりが浮かび上がる。企まずしてポリフォニックな構造になっている。

Posted by ブクログ

2013/03/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

伊丹十三は、名前がまだ一三だった頃からの憧れの人である。当時、愛読していたのは新潮社から出ていた大江健三郎全集だったが、日々を生きていくための指南書は伊丹の『ヨーロッパ退屈日記』だった。巻頭に置かれた、何でもできるくせに、それらはみな人から教わったことばかりで、自分自身は空っぽの容器でしかないという自己規定に、自分とは何かということを考えはじめていた高校生はいっぺんにいかれてしまった。 何をさせても決まっていて、『北京の五十五 日』で、ハリウッドの映画人に混じって日本の軍人を演じていたが、外国映画に出て来る日本人の中ではいちばんノーブルであった。ピーター・オトゥールと共演した映画『ロード・ジ ム』の出演料でロータス・ヨーロッパを買うなんていう芸当は、当時日本で人気のあったちんぴら役者には逆立ちしたって できなかったろう。 伊丹十三が、映画監督の伊丹万作の息子で、その妹を妻にした松山時代の学友大江とは義理の兄弟にあたることを知ったのは、ずいぶん後のことにな る。エッセイストや雑誌編集者としてその才能を披瀝しながら、映画界では癖のあるバイプレイヤーという存在でお茶を濁していた感のある伊丹がメガホンを とった『お葬式』にはまいった。小津にしろドライヤーにしろ、先行する名監督の映画を下敷きにしながら、初監督作品で、すでに自分のスタイルというものを表現しうる才能はただただ眩しいかぎりだった。 『マルサの女2』あたりから、マンネリ化を感じて映画館に足を運ばなくなった。観客が喜ぶ映画を撮ることを自らに課していたようだったが、『お葬 式』や『タンポポ』のような、他の監督には撮れそうもない映画をこそ見つづけていたかった。『静かな生活』をのぞけば、伊丹の初期の映画三作しか出演しなかった山崎努が、それ以降の作品に出なかった理由として、伊丹の完全主義者的な演出と 偶然を喜ぶ自分の演技のちがいを挙げているが、それだけではなかったのではないか。 山崎も言っているが、伊丹がほんとうに撮りたいと思っている素材は他にもあったように思われるのに、ヤクザや警察ばかりが出て来る映画を撮り続けたのは、 日本映画の観客がそういう素材を好んでいたからではないのか。芸術映画に色目を使わず、エンターテインメントに徹する姿勢は潔いが、伊丹自体の本質とは齟 齬があったように思う。 監督としての伊丹は現場では大声を出すこともなく、現場はいつも和やかな雰囲気であったという。しかし、それだけスタッフや俳優に気を遣う監督が撮影中は役者やスタッフと一緒に食事を摂らなかったと、何人もが話している。ロケ弁の不味さ もあったろうが、普段使いに古伊万里の蕎麦猪口で酒を嗜む伊丹には、毎日プラスティックの容器に入った弁当を食べることは我慢できなかったのではないか。ひとりだけ別の物を食べることも自分に許せず、食事を抜くしかなかったのでは。 庶民でない人間が庶民の 要求に応えるために無理をし続けたあげくが、あの死だったと思うとやりきれない。岸田秀が、フロイト派の精神分析学者らしく、伊丹映画を父との関係で分析しているのが興味深 かった。その死に暴力団が何らかの関係がなかったかという指摘をしているのも岸田ひとりだった。自殺現場にゴム草履で出かけていくなどということは、スタ イリストの伊丹にあるはずがない。私は今でも謀殺説を捨てきれないでいる。 一緒に撮影現場で過ごした人のインタビューで構成されているこの本からは、監督伊丹十三がいかに日本映画界では稀有の存在であったかということがひしひし と伝わってくる。それと、これほどまで周囲の人々に愛されていたのか、ということも。表紙の愛猫を抱いた伊丹のモノクロの写真がいい。

Posted by ブクログ

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