商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 2007/03/16 |
JAN | 9784003815014 |
- 書籍
- 文庫
国語学原論(上)
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
国語学原論(上)
¥990
在庫なし
商品レビュー
4.8
6件のお客様レビュー
古い書物で、慣れない用語もあるし、わかりづらい。 この本の主張は、言語の本質である主体性に迫りながら、ソシュールの説を言語論として批判していることに尽きる。その本質に迫る立場を言語過程説と呼んでいる。 「(上)p26言語研究の究極の課題は言語の対象としての本質を明らかにすること...
古い書物で、慣れない用語もあるし、わかりづらい。 この本の主張は、言語の本質である主体性に迫りながら、ソシュールの説を言語論として批判していることに尽きる。その本質に迫る立場を言語過程説と呼んでいる。 「(上)p26言語研究の究極の課題は言語の対象としての本質を明らかにすることでありそれは難しい」 とあるように、言葉が示す意味を指し示すことの難しさを挙げている。 著者が批判しているのは、ソシュールの言語論は言語を人の主体性を離れ、言語のみを取り上げて分析している点である。確かに人間の意図を抜きにして、言葉だけの分類や分析はほとんど意味がないように思え、言葉を科学的に分析できないという著者の主張は妥当だと思う。 言葉を使うとき、使っている人が何を示しているのか、何を意味しているのか、ということに焦点を当てると、お互いが理解しているという前提は幻想に過ぎないという場面に遭遇することはしばしばある。そのような場合でも意思の疎通ができているとお互い思うのだが、事実は各人の解釈があるのみで完璧な意思疎通というものは存在しないと思う。 ソシュールの言語論は歯切れがいいかもしれないが、分類や分析ができそうだと言って取り組んだところで、例外があったり、分類しきれないところがあったりと、言語全てに当てはまるルールが導けなかったのだと理解できる。
Posted by
第1篇 総論 1.言語研究の態度 2.言語研究の対象 3.対象の把握と解釈作業 4.言語に対する主体的立場と観察的立場 5.言語の存在条件としての主体、場面及び素材 6.フェルディナン・ド・ソシュールの言語理論に対する批判 7.言語構成観より言語過程観へ 8.言語の構成的要素と言...
第1篇 総論 1.言語研究の態度 2.言語研究の対象 3.対象の把握と解釈作業 4.言語に対する主体的立場と観察的立場 5.言語の存在条件としての主体、場面及び素材 6.フェルディナン・ド・ソシュールの言語理論に対する批判 7.言語構成観より言語過程観へ 8.言語の構成的要素と言語の過程的段階 9.言語による理解と言語の鑑賞 10.言語の社会性 11.国語及び日本語の概念 12.言語の史的認識と変化の主体としての「言語(ラング)」の概念 第2篇 各論 第1章 音声論 1.リズム 2.音節 3.母音子音 4.音声と音韻 5.音声の過程的構造と音声の分類 第2章 文字論 1.文字の本質とその分類 2.国語の文字記載法(用字法)の体系 3.文字の記載法と語の変遷 4.表音文字の表意性 第3章 文法論 1.言語に於ける単位的なるものー単語と文ー 2.単語に於ける詞・辞の分類とその分類基礎
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
昭和16年刊行。ソシュールの構成的言語観を批判し、言語を話者や記述者の主観的生成の側面からとらえ直し、言語過程説を提示し、「主体」、「素材」、「場面」などの分析概念を示し、この言語観から音韻、文字、文法などの現象を説明していき、明治以降の学説の破綻を批判していく。とくに文法を鈴木朗などの国学の成果を援用しながら、詞と辞から分析していく所はとても興味深い。
Posted by