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日本人が知らない世界の歩き方 PHP新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | PHP研究所/PHP研究所 |
発売年月日 | 2006/10/30 |
JAN | 9784569657837 |
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日本人が知らない世界の歩き方
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日本人が知らない世界の歩き方
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まったくすごい女性である。100か国以上を訪問し、サハラを横断し、緒方国連高等弁務官とともに世界を旅し、日本財団が寄付した先で、目的通りに使われているかを自費で確認に行く。 決めてあった国に政変があったが、予定は変更をせず、陸路でももどれるように経路となる国すべてのビザをとり、し...
まったくすごい女性である。100か国以上を訪問し、サハラを横断し、緒方国連高等弁務官とともに世界を旅し、日本財団が寄付した先で、目的通りに使われているかを自費で確認に行く。 決めてあった国に政変があったが、予定は変更をせず、陸路でももどれるように経路となる国すべてのビザをとり、しかも、300枚ものドル紙幣を現金で用意するようなしたたかな女性なのである。 本書は、著者が世界を実際にみて感じ、経験した見聞録である。 気になった点は以下です。 ・フィリピンに精巧な民芸がないのは、過去に圧政を行った強力な王朝や政府がないからなんですね。富が偏在したり、暴君がでたりすると、職人は悲惨な状態で技術を強制されたり、パトロンが生まれてすばらしい職人芸が育ったりするんです。 ・インドで会った、日本人のシスターは私たちが持参した「カップ・ラーメン」で「大宴会」を楽しんだ後、ラーメンの容器をすべて持ち帰った。そういうものも身近で貴重品なのである。 ・匠が存在する社会にしか、近代的なテクノロジーの発展はない、と私は思っている。「さらなる厳密な技術」が要求され、愛され、評価され、報いられ、それが美と認識する社会にしか、テクノロジーは伸びないのである。 ・(逃げ遅れた子羊に脇腹をつつかれて)小心な羊もいざ追いつめられ、必死で、活路を見つけだそうとすると、あれだけの力が出るということが、私には印象的であった。私も羊と同じように小心な人間である。けれど、今までに何度か、こんな具合に体当たりで運命を開いてきたこともあるのかもしれない。 ・日本人は過去を切り捨てれば、それで罪の償いができたと思うんです。だから戦争中の軍神や軍人の銅像をさっさと撤去してしまう。しかしイタリア人はローマの町の中にある過去の愚かな情熱を示す記念の碑や銅像や建物を絶対に壊さないんです。むしろそれがなくなったら、過去に自分たちが犯した愚行も忘れてしまう。だから、自省のためにがっちりと取っておくんです。 ・(荷物を盗んだ子供から、取り返してつめようとすると、仲間の一人が何でそんなことするんだいと悪態をつかれたことについて)この辺の呼吸を私も途上国で苦労した人に教えらえたことがある。「はじめから騙されることもありませんけどね。向うは貧しいんですからね。値切るのはいいけど、最後に少しは騙されてやることが大切なんです。」 ・「こんなことを言ってはいけませんが、この子は手が不自由だから、誰ももらい手がつかないんでしょうか。」 「いいえ、ほかの子にもらい手がつかないことはあっても、この子にだけは、必ずつきます。こういう子供をもらって幸福にすれば、神さまは普通の子を育てるより、倍も喜んでくださいますから」 ・カポエラは、武器のない武術で、柔道とも、合気道とも、少林寺拳法とも少しづつ似たところがある。もちろん奴隷たちが、主人に造反する時に有効なこうした格闘技を身につけることはご法度であった。しかし彼らは、一目がある時は踊っているように見せかけ、いなくなるとすぐ武術に切り替えるという隠密なやり方で、こうした自衛の武術を完成したのである。 ・オーバブッキングになった時誰が席から追い出されるかは、簡単で明白な力関係によるのである。 第1にオミットされるのは、その場にいなかった人間である。存在するということは偉大なことだ。私たちはこの点を抑えようとしたのである。 第2に追い出されるのは、力のないものである。力というとすぐ武力と思うのは、日本人の単純さである。 ・最近、日本人は現世に人間の力ではどうしても解決できない問題があることを忘れてしまった。不幸の原因は、社会の不備から出るもので、それは政治力の貧困が主な理由だと考える。だからいつかは、その不備を克服できるはずだ、と思いあがりかけている。 ・チャドには、日本の大使館も商社もなかった。今どき、日本の商社が一社も入っていない、という国は、...つまりその国には駐在員をおくほど買うものも売るほどもない、ということだ。売るものがない、というより、日本の産品を買える階層がほとんどいない、と言った方が率直でわかりやすい。 ・自分が死んでも、他人を救うことができる人など数すくない。ルワンダの人々は、そうしなかった人を極悪人として告発したが、私はそれは普通の人だと感じている。 ・「砂漠の民」には思いやりがない、ということは、私がいつも聞かされてきた話だった。 目次は、以下です。 はじめに 第1章 アジア 人間の「ろくでもない強さ」 第2章 ヨーロッパ 「それが人生」 第3章 アメリカ どうでもいい素顔 第4章 南米 金と愛、そして子供 第5章 アフリカ 自然の威力、人間の無力 第6章 アラブとユダヤ 総括 世界を歩くということ 出典著作一覧 引用文出典一覧
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23歳で文壇デビューを果たし、第一次・第二次大戦後派に続く「第三の新人」世代として遠藤周作や吉行淳之介・そして夫である三浦朱門らと共に文学会で活躍した曾野氏。40歳を迎えた1971年からは海外邦人宣教者活動援助後援会というNGO(民間活動団体)で何と40年間も代表を務め、世界各地...
23歳で文壇デビューを果たし、第一次・第二次大戦後派に続く「第三の新人」世代として遠藤周作や吉行淳之介・そして夫である三浦朱門らと共に文学会で活躍した曾野氏。40歳を迎えた1971年からは海外邦人宣教者活動援助後援会というNGO(民間活動団体)で何と40年間も代表を務め、世界各地で現地の人々のために働く日本人の神父や修道女の活動を支援し続けたのだが、その彼女が行く先々で見たこと・感じたことを一冊に集約したのが本書である。日本人にとって身近な外国であるアジア諸国や欧米の先進国は元より、南米アマゾンで見た「絶望的な大自然」、アラブで気付いた「日本人の非常識さ」、アフリカの僻地で改めて認識した「日本人に生まれた贅沢さ」... 世界の果てまで旅した著者が綴る、日本人が知らない旅のオムニバス。
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著者が世界を旅して記した作品の抜粋。断片的過ぎてまとまりがないのは仕方ないか。欧米に関する内容はほとんど頭に残らなかったが、アジア、アフリカ、中東といった、執筆当時は今よりもさらに異文化の地であった国々に関する内容は、ところどころハッとさせられるものがあった。
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