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優男たち アレナス、ロルカ、プイグ、そして私
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 青土社/青土社 |
発売年月日 | 2006/12/25 |
JAN | 9784791763160 |
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優男たち
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「美しすぎる男たちのラブストーリー」「BL」云々という帯のあおり文句に、どうせBL消費層向けの耽美小説なんだろー、と悪い誤解をしていたら、予想を裏切るすばらしいゲイ文学論でした。 トリッキーな邦題をつけた訳者によれば原題は『オカマの偉人たち』とでもいう意味とのことで、取り上げられ...
「美しすぎる男たちのラブストーリー」「BL」云々という帯のあおり文句に、どうせBL消費層向けの耽美小説なんだろー、と悪い誤解をしていたら、予想を裏切るすばらしいゲイ文学論でした。 トリッキーな邦題をつけた訳者によれば原題は『オカマの偉人たち』とでもいう意味とのことで、取り上げられるのは、マヌエル・プイグ(アルゼンチン)、レイナルド・アレナス(キューバ)、フェデルコ・ガルシア・ロルカ(スペイン)という、スペイン語文学圏における綺羅星のごとき人々。しかし『夜になる前に』で知られるアレナスを除けば、彼らが「ゲイ文学」という枠組みで論じられることはほとんどないのでは。 著者は、報われぬ恋に苦しみ、社会と自らの内なるホモフォビア、そして政治的迫害と格闘する中から、同性愛者としての自分自身の言葉を獲得し、それぞれに非業の死を迎えた3人の「勇敢なオカマたち」の人生を通じて、クローゼットに押し込められてきたスペイン語圏ゲイ文学の系譜を明らかにしていく。 と同時に、資産家の父親に認められない非嫡出子としてコロンビアに生まれ、美しく奔放な母にふりまわされながら同性愛的欲望を自覚するようになった少年が、いかに先行するゲイ文学者たちの作品そして個人的交流を通して、内面化されたホモフォビアを克服し作家となっていったのかを綴り、すぐれた文学論にして私小説ともなっているのが本書独特の魅力だ。少年時代の思い出を語る自伝的序章が、「もうひとりのありえた自分」との出会いと別れを描く終章ですくいとられる構造も面白い。 大好きな作家だけに、マヌエル・プイグの章はとりわけ興味深く読んだ。彼が小説家をめざす転機となったのは、「美容室に通うバカなオカマのままでいるか、ほんとの女になってオカマを芸術に変えるか」だと、年上のオカマ仲間に諭されたのだとか。そのプイグの文学を、著者は、歯に衣着せぬオカマの悪口を文学に昇華させたと評している。オネエ言葉を使い、男らしい男を好み、軽佻浮薄なディーバのようだったというプイグは、まるで『蜘蛛女のキス』のモリーナそのまま。しかしモリーナがその死を通して革命家バレンティンの中に混じり合うように、「オカマである」自らの声を獲得し聞かせる行為は、もっとも革命的な行為となりえるのである。 そしてこのゲイ作家列伝においてフェデリコ・ガルシア・ロルカが重要な位置を占めているのは大きな驚きであった。著者が批判するように、フランコ政権によって虐殺された偉大な民主主義の声としてのロルカの生涯を伝える多くの伝記や映画は、彼の同性愛者としての側面を意図的に消し去ってきたのだ。 異性愛規範による同性愛の消去という暴力への怒りをにじませつつ、著者はロルカの作品を丹念に読みとくことを通して、長年クローゼットに閉じこもり、男らしい男を演じて「女々しさ」を嫌悪していたロルカが、ダリやブニュエルとの報われない交流の後、ニューヨークやキューバにおけるゲイ・コミュニティでの交流を通じていかに同性愛者としての自らの声を発見していったのかを解き明かしている。 晩年の重要な戯曲において、ロルカは、家父長制の権化となる母権をふるう女、抵抗をあきらめて従順に従う女、そして性的欲望を自覚して抵抗しようとする女たちを通して、スペインという家、その支配と抑圧、抵抗におけるセクシュアリティの意味を描き出した。ロルカの死は悲劇的なものだった。だが著者は、ホモセクシュアルである自分から逃げることをやめ、家父長的な思考の破壊性について、その芸術を通して取り組んだこの作家を「全てを実現して死んだ、これほど幸福なホモセクシュアルの作家がどれほどいたか」と称えるのだ。 ホモセクシュアリティという視角を通して文学とあらたな出会いをさせてくれる、この重要な評論、見かけにだまされずに手にとって本当に良かったと思える一冊でした。
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コロンビア人のホモ作家ハイメ・マンリケによる、ラテン系ホモ作家の伝記集。 キューバ人のレイナルド・アレナス、アルゼンチン人のマヌエル・プイグ、そしてスペイン人のガルシア・ロルカがとり上げられている。 彼はプイグとアレナスとは実際に親交があったそうで、二人についての思い出話はとて...
コロンビア人のホモ作家ハイメ・マンリケによる、ラテン系ホモ作家の伝記集。 キューバ人のレイナルド・アレナス、アルゼンチン人のマヌエル・プイグ、そしてスペイン人のガルシア・ロルカがとり上げられている。 彼はプイグとアレナスとは実際に親交があったそうで、二人についての思い出話はとても面白く感じた。彼のフィルターを通しているので、全部を鵜呑みにはできないけれど、プイグやアレナスが第三者の目から見たらどんな人だったのかというところが興味深かった。 オカマへの優しさがあふれていました。さすが著者もオカマ。
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