商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 教育画劇/教育画劇 |
発売年月日 | 2007/02/01 |
JAN | 9784774607344 |
- 書籍
- 児童書
トリッポンと王様
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トリッポンと王様
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商品レビュー
4
3件のお客様レビュー
萩尾望都さんの物語と、こみねゆらさんの絵による、トリッポンシリーズ三冊目は、今のところ最終作で、これまでのキャラクターが総登場することもあって、本書がいちばん好きな作品となった。 ある日、少年「トリッポン」がいつもの森を散歩していたら、小人の王様と彼に従う八人の騎士と出会...
萩尾望都さんの物語と、こみねゆらさんの絵による、トリッポンシリーズ三冊目は、今のところ最終作で、これまでのキャラクターが総登場することもあって、本書がいちばん好きな作品となった。 ある日、少年「トリッポン」がいつもの森を散歩していたら、小人の王様と彼に従う八人の騎士と出会い、初対面なのに、いきなり「このものをとらえよ」と言われたから、彼はびっくりして「ぼくが、なにをしたの」と聞いたら、「おまえは敵だ」と返す、その理不尽さに何、こいつと思ってしまう。 それでもトリッポンは人の良さから、「ぼくはだれとも敵じゃないよ。ぼくは、だれとも仲たがいしてないもん」と言ったが、王様は、「なさけないやつめ。もうこうさんか」と、全く噛み合わない答えを返した上に、この森はたった今からわが領土となり、おまえは本来なら死刑だが、特別にわがしもべにしてやろうと、意味不明なことを言われる始末。 その後、王様はトリッポンに家を作れと命令し、彼はあきれながらも工作が好きなので、みかんの箱を使って作ってあげる光景には、いったいどちらが大人なんだと思う中、驚愕だったのは、狩りという名のもとに、トリッポンの家の冷蔵庫から堂々と食べ物を盗み出す行為であり、それにはさすがに彼も、「はずかしくないの」とどなったが、それに対してもどこ吹く風で、更にデザートを持ってこさせる我が儘ぶりを見て、もうこんなやつに関わらなくていいんだよと、内心私は思ったが、彼は午後のお茶への招待と銘打って、ケーキ等を御馳走する、その姿に、なんていい子なんだろうと心を打たれた。 その効果があったのか、おもむろに王様は昔話を始め、それによると、元いた王宮は、大臣と国民がみんなで彼の政治に反対して追い出されたとのことで、うーん、自業自得なのか悲劇なのか微妙なところが、何ともモヤモヤさせる。 そんな王様が心配だったのだろう、翌日、トリッポンは、スコップと野菜の種を持って、王様にこれまでとは違った生活を勧めてみるが、それに対しても耳を貸さず、挙げ句の果てには、更に彼の家から盗みを繰り返してと、これには困ってしまい、気晴らしに釣りをしに池に行くことに。 これまでの二作とは異なり、こみねさんの描く青空や緑色の明るさと、のっぺりとした油彩とのコントラストもよく映えた池で、先に釣りをしていたのは、前作にも登場した、あのおばけであり、更にその横には小猫が、おばけの釣った魚を食べてと、すっかり仲良しになったようで、こうしたシリーズならではの繋がりは微笑ましくて、好き。 そして、トリッポンから王様のことを聞いた、おばけは、そんなの取り返せばいいと、さっと立ち上がって「ウォー」と叫んだが、「ギャオ」の方がいいかなと呟く姿に、どちらでもいいよと思いながらも、おばけらしい言葉に嬉しくなる。 しかし、おばけが八人の小人の騎士を尻尾で吹き飛ばした後、王様をつまみ上げては、「おれのいうことをきかんとくっちまうぞ」の言葉と絵を見た瞬間、あれだけ理不尽で憎らしく思った王様たちが、何とも不憫に思われたことに、ハッとさせられるものがあった。 それは、どんなに理不尽なことをする相手だとしても、それに対して同じことをするのは間違っているという思いであり、その光景には思わず、戦争をイメージさせられた、復讐することの愚かさである。 思えば、そうしたメッセージは、本書の序盤に於いてトリッポンの、『八人の騎士を足で蹴倒して、王様を逆さに吊ってやろうかと考えたが、もし自分の五倍もある男が、自分を逆さに吊ったら、たいそう怖いだろうと考えてやめにした』という文章からも感じられた、相手の気持ちに立って考えることの大切さであり、そうした思いがあれば、きっと世の中から争いごとは無くなるのではないかといった、そんな平和へのメッセージが、本書には込められたような気がしてならないのである。 そして物語は、なんとも意外な微笑ましい終わり方となり、思わず「えーっ!?」となったものの、そういえばケーキを食べている絵に伏線があったなと思いつつ、なんてほっこりした温かい光景なんだろうと、そこでの恥ずかしがり屋のおばけと、それを見た嬉しそうなトリッポンと小猫の姿も含めて、荒んだ人の心を穏やかにして、世の中から争いごとを無くすのは、やはりこれだよなと、強く感じずにはいられなかったのでした。
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こみねゆらさんの絵にひかれて図書館で借りました。 お話、面白かったです。ふふ。 予想外の展開で。
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(2007.09.20読了)(2007.09.18購入) (「BOOK」データベースより)amazon ある日、トリッポンが森をさんぽしているとこびとの王様にであった。「この森はたったいまからわがりょうど。おまえはほりょだ」森のはずれの、あたらしいおうちにやってきたトリッポン。そ...
(2007.09.20読了)(2007.09.18購入) (「BOOK」データベースより)amazon ある日、トリッポンが森をさんぽしているとこびとの王様にであった。「この森はたったいまからわがりょうど。おまえはほりょだ」森のはずれの、あたらしいおうちにやってきたトリッポン。そこは、ふしぎのひそむ、ちょっとかわった森だったのです…。
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