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母ちゃん
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母ちゃん

江宮隆之【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社/河出書房新社
発売年月日 2007/02/28
JAN 9784309018065

母ちゃん

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2014/11/23

韓国で、一時は50人以上の孤児と一つ屋根の下で生活をともにし、育て上げた女性がいる。望月かずという日本人女性。この本はその人の生涯を追った小説。 父を知らず、新天地を求める母とともに満州に渡り、幼くしてその母と死に別れ、母がしていた商売の使用人だった人たちの手で売り飛ばされ、使用...

韓国で、一時は50人以上の孤児と一つ屋根の下で生活をともにし、育て上げた女性がいる。望月かずという日本人女性。この本はその人の生涯を追った小説。 父を知らず、新天地を求める母とともに満州に渡り、幼くしてその母と死に別れ、母がしていた商売の使用人だった人たちの手で売り飛ばされ、使用人として食いつなぐ……といった壮絶な幼年時代。その後、終戦で一度は日本に引き揚げたものの、満州で眠る母のもとへ行こうと朝鮮半島へ再渡航。北側へ行けぬままソウルで屋台商売をしていたところ、朝鮮動乱が起きる。戦場となったソウル、目の前で母親を撃たれた赤ん坊を思わず救うと、自分で育てようと決心した。以降は、出会った孤児たちを引き取り、貧しい中で育て上げた人生。独り身のまま、時には売血でしのぎながら、「家庭」であることを大切にし、施設である孤児院にすること拒否し貫いたという。 恵まれない生い立ちからすれば、すねた人生を送っても不思議でないのに。いや、家族に恵まれなかったからこそ、自分と同じような子どもを見捨てることができなかったのだろうな。だから、運営しやすい孤児院という施設にすることを選ばず、貧しくても「家庭」であることを死守したのだろう。ある意味、頑固で負けん気が強かったという人物評もあるので、神さまからの挑戦にのったということなのかもしれない。 日本と朝鮮の間には、こんな草の根的な崇高な人物が幾人がいる。田内千鶴子さんとか李方子さんとか、わりと女性が多いような気もする。そして、彼女たちが今はあまり顧みられないのが不思議。いや、一時的に話題になったり一部の支持者はいても、政治とか表舞台では当時からあまり顧みられていなかったのかもしれない。だけど、こういう人たちがかろうじて、日本と朝鮮半島の危うい関係性をつないでくれているような気がする。 それにしても、何だか筆致が軽いんだよなあ、この人の書くものは。たとえていえば、映画やテレビドラマのノベライズを読んでいるような感じだろうか。興味のある題材なんだけど、どうも読後に残るものが薄い気がしてならない。

Posted by ブクログ

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