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呪われた子 他 バルザック 幻想・怪奇小説選集3
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呪われた子 他 バルザック 幻想・怪奇小説選集3

バルザック(著者), 私市保彦(訳者), 加藤尚宏(訳者), 芳川泰久(訳者), 澤田肇(訳者), 片桐祐(訳者), 奥田恭士(訳者)

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呪われた子 他 バルザック 幻想・怪奇小説選集3

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 水声社
発売年月日 2007/07/10
JAN 9784891766382

呪われた子 他

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商品レビュー

3

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2021/12/01
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『戦をやめたメルモット(神と和解したメルモス)』1835年・・・哲学的研究 ニュシンゲン銀行の会計係のカスタニエは、手形を偽装中に、突然音もなく現れた見知らぬ男に驚愕した。 男は容貌からして英国人で、一枚の手形を取り出し換金を迫る。 金庫はもう閉まったと伝えたが、男の醸し出す威厳に押され、金を渡すことにした。 英国人は、署名用のペンの拝借を申し出、カスタニエは、今しがた自分が、頭取の筆致を真似て書いていたペンを男に差し出す。 男は、ジョン・メルモット と署名した。 (メルモットは、ダブリン生まれのマテュランの小説の主人公で悪魔と契約した吸血鬼で、犠牲者を求めて彷徨する) 換金した札束を渡す時、メルモットの目から赤い光が放射し、偽筆の手形の上にぎらぎらと輝いていた。 元軍人であったカスタニエは、もう10年もニュシンゲンの会計係を勤め、頭取の信頼も篤かったが、妻をもつ身でありながら、愛人のアキリナに入れあげ、困窮の挙句、横領に手を染め、愛人との出奔を企てようとしていた。 愛人との住処に帰宅し、偽装工作のため、アキリナを芝居に誘うが、彼女は色よい返事をしない。 もう彼女は、カスタニエにはとうに飽き、新しい間男に夢中なのだった。 しぶしぶ、アキリナは芝居に同行したが、その先で、カスタニエは件の英国紳士に出会う。 カスタリエは腕を取られ、自分は何でもわかるし、全能の神のように思いのまま何でもできると囁かれる。 その次に開いた舞台は、カスタニエの罪が暴露し、告訴されてる内容だった。 カスタニエは戦慄し、メルモットが持ちかけてきた悪魔に魂を預けメルモットの身代わりになることを承諾する。 ファウスト博士のメフィストフェレスのように長くはメルモットは纏わりつかず、又、悪魔の手先というよりも、ターゲットマンが順次変化していくという手法をバルザックは使う。 後継者となったカスタニエは、ゼウスのごとき絶対的能力によって生まれ出ずる空虚に早々と苦しむ。 愛人は去り、孤独を抱えながら、メルモットを尋ねると彼はすでに死んでおり、神への悔い改めを終えて召されたという話を司祭から聞く。 カスタニエは、自分の後継者に、クラパロンという男を選び、彼に役割を譲渡したあと、メルモットの死んだサン・シュルピス教会に神への懺悔のために向かう。 悪魔の契約はその後、後継者を次々と代え、22歳の若者に行き着く。 彼は、ウーフラジーという娼婦にメロメロで、12日間の愛の饗宴に耽溺したあと、性病に罹患し、その為に服用した水銀の量を過って死ぬ。 悪魔との取引という題材の小説だが、悪魔は人に憑依した形で現れ、全能である苦痛より、告解して死を選ぶ。 怪奇的な色彩を多少帯びながらも、人間的なドラマに仕立てて、願望や欲望が難なく達成しうる悲哀を描いている。 本作での人物再現法で気づいたのは、ニュシンゲン銀行は、ゴリオの次女の夫が頭取を務める銀行。 次女のニュシンゲン夫人とその情人のラスティニャックもちょい役で登場する。 カスタニエの後継者となったクラパロンは、『セザール・ビロトー』でデュ・ティエの手先になりセザールを陥れる人物。 --------------------------------------------------------------------------------- ■小説89篇と総序を加えた90篇が「人間喜劇」の著作とされる。 ■分類 ・風俗研究 (私生活情景、地方生活情景、パリ生活情景、政治生活情景、軍隊生活情景、田園生活情景) ・哲学的研究 ・分析的研究 ■真白読了 『ふくろう党』+『ゴリオ爺さん』+『谷間の百合』+『ウジェニー・グランデ』+『Z・マルカス』+『知られざる傑作』+『砂漠の灼熱』+『エル・ヴェルデュゴ』+『恐怖政治の一挿話』+『ことづて』+『柘榴屋敷』+『セザール・ビロトー』+『戦をやめたメルモット(神と和解したメルモス)』+『総序』 計14篇

Posted by ブクログ

2010/06/14

[ 内容 ] 古い家柄の貴族の子として生まれながら、父に呪われて海辺の小屋に暮らす少年エティエンヌ。 母のたおやかな愛と自然の神秘に育まれたこの繊細な魂は、しかし、封建制度と戦乱の時代に翻弄されてゆく(「呪われた子」)。 厖大な人物を織り込んだ大作の根底をなすともいえる、神秘に彩...

[ 内容 ] 古い家柄の貴族の子として生まれながら、父に呪われて海辺の小屋に暮らす少年エティエンヌ。 母のたおやかな愛と自然の神秘に育まれたこの繊細な魂は、しかし、封建制度と戦乱の時代に翻弄されてゆく(「呪われた子」)。 厖大な人物を織り込んだ大作の根底をなすともいえる、神秘に彩られた人生を描いた短編集。 表題作のほか、「サラジーヌ」「神と和解したメルモス」など計8篇を収録。 バルザックにおける「哲学的研究」の妙味。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted by ブクログ

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