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石油を読む 地政学的発想を超えて 日経文庫
913円
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日本経済新聞出版社/日本経済新聞出版社 |
発売年月日 | 2007/02/15 |
JAN | 9784532111281 |
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石油を読む
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商品レビュー
3.8
16件のお客様レビュー
2012.11記。 とある事情で再読。2005年の本だが、基本書扱いされているだけあってやはり議論が整理されていて読みやすい。 主張の根幹は「石油はいまや単一市場に統一された市況製品であり、特定勢力による量や価格のコントロールは事実上不可能」ということ。タンカーが着岸できる地...
2012.11記。 とある事情で再読。2005年の本だが、基本書扱いされているだけあってやはり議論が整理されていて読みやすい。 主張の根幹は「石油はいまや単一市場に統一された市況製品であり、特定勢力による量や価格のコントロールは事実上不可能」ということ。タンカーが着岸できる地域であればどこからでも輸出され、輸入される。メジャーやOPECといった「陰謀の首謀者」にされやすい一団ももはやゴルゴ13的な相場操縦は不可能なのだ。 これは、石油がもはや「戦略物質」としての性質を持っていないことも意味する。自分で囲い込まなくても世界どこからでも買ってこられるからだ。 石油禁輸に直面し南方を目指した戦前の日本からすれば昔日の感あり。短絡的のそしりを恐れずに言えばやはり自由な市場の恩恵は大きい。
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戦略物資と呼ばれる石油の本質的な側面から洗い出し、市場によって取引されるコモディティとしての石油を描いている。石油市場は単なる原油の取引だけではなく、探索、事業化、採掘、精製といった一連のバリューチェインを包括したものして捕らえている。特に川上工程においては、そのリスクの高さと巨...
戦略物資と呼ばれる石油の本質的な側面から洗い出し、市場によって取引されるコモディティとしての石油を描いている。石油市場は単なる原油の取引だけではなく、探索、事業化、採掘、精製といった一連のバリューチェインを包括したものして捕らえている。特に川上工程においては、そのリスクの高さと巨額の資本を必要とする参入障壁の高さにより、需要に対する弾力性が低いことが石油の価格形成において市場の裁定機能が働きにくい点が指摘されている。 また、地政学的なリスクについても日本ではこれが過剰に報道されているが、客観的かつ冷静な分析によって、それほどのものではないことが指摘されている。 一方で、日本の原油調達が中東に過度に依存していること、またエネルギー源として世界的に原油から天然ガスへと需要がシフトしているなか日本がその流れに取り残されている事実を危惧すると共にそれに対しての解決策を提示している。資源争奪戦の様相を呈するなか、今後の日本の安定的な調達のためにも著者の提言は今後の国家戦略において検討に値する。
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少し古いけど面白かった。 藤和彦さん、経産省の人なんだね。 全体として、石油の商品としての歴史、性質が分かり、シーレンの重要性も理解することができた。 他方で、石油をあまりに地政学的に政治的にとらえることも問題が多いということが分かった。市場の配分機能を補完する形での政治の役割が...
少し古いけど面白かった。 藤和彦さん、経産省の人なんだね。 全体として、石油の商品としての歴史、性質が分かり、シーレンの重要性も理解することができた。 他方で、石油をあまりに地政学的に政治的にとらえることも問題が多いということが分かった。市場の配分機能を補完する形での政治の役割が重要だということだ。 実際、石油は、均一性が強くどこでとっても同様の機能を果たすこと、またOPEC以外の産出も盛んなことなど石油に関して勘違いしていることもたくさん発見することができた。 後半は、天然ガスのエネルギー源としての重要性をうたっている。サハリンからのパイプラインの建設はその後どうなったのだろうか。 2007年刊行で情報が古いこともあるが、十分満足できた。
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