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グリム童話の世界 ヨーロッパ文化の深層へ 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 2006/10/20 |
JAN | 9784004310419 |
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グリム童話の世界
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グリム童話の世界
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商品レビュー
3.9
12件のお客様レビュー
19世紀にグリム兄弟がメルヘンを蒐集した動機が、古ゲルマンの精神を今に伝えようとしたことにあることを知って興味を持った。ナポレオンのドイツ蹂躙を経験したことが直接的なきっかけらしいとのこと。ある意味民族運動の先駆け。当時に伝わるメルヘンを、中世キリスト教の影響前の状態に還元しよう...
19世紀にグリム兄弟がメルヘンを蒐集した動機が、古ゲルマンの精神を今に伝えようとしたことにあることを知って興味を持った。ナポレオンのドイツ蹂躙を経験したことが直接的なきっかけらしいとのこと。ある意味民族運動の先駆け。当時に伝わるメルヘンを、中世キリスト教の影響前の状態に還元しようとする意志と熱意に感嘆する。 たぶん日本で例えるなら、ほぼ同時期に本居宣長が行った事績に近いかと思う。宣長は、仏教が影響する前の日本の原風景を知ろうとして古事記等の研究を行ったという。 当然今となってはグリム兄弟についても宣長についても、その目的に対する批判は簡単にできるだろう。しかし当時にあっては、メルヘンなり古事記なりの真理深層に至ることがそれぞれにとって貴重な体験と発見であり、また輝かしい研究の対象だったことが想像される。
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グリム童話に代表されるメルヘンを通して、ヨーロッパ文化の古層に迫る。日本文化との対比、共通も興味深い。後半尻すぼみになった感はあるが、キリスト教以前の習俗に迫った意義はある。 グリムの改作の意図は、ドイツナショナリズムの高揚というよりも、ドイツ文化の根源を解き明かそうとしたこと...
グリム童話に代表されるメルヘンを通して、ヨーロッパ文化の古層に迫る。日本文化との対比、共通も興味深い。後半尻すぼみになった感はあるが、キリスト教以前の習俗に迫った意義はある。 グリムの改作の意図は、ドイツナショナリズムの高揚というよりも、ドイツ文化の根源を解き明かそうとしたことにあったのかな。 ・(冬から春の循環がテーマの)シンデレラ物語の中核にあるのは、動植物の持つ魔力に対する確固たる信仰である。この信仰は、農耕生活の始まりとともに生まれたに違いない。周知のように、世界の農耕生活は基本的に似通っている。ならばシンデレラ物語が世界中に分布しているのは、不思議なことではあるまい。 ・メルヘンは集団記憶である。 ・「冬追い、夏招き」という祭りは異教的な農耕儀礼。キリスト教の聖職者たちはこれを禁止できないと見て取ると、禁止する代わりにこれらの祭りをキリスト教の祝日に仕立て上げ、換骨奪胎しようとした。 ・キリスト教はもともと悪魔学・デモノロジーという恐ろしい信仰と切っても切れない関係にある。 ・日本のメルヘンは「人間が自ら人間に変身した動物と結婚する」。ヨーロッパのそれは「人間が動物に変身させられた人間と結婚する」。動物観の違い。
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ところどころ、そんな根拠で言いきって大丈夫かな?ってところがありましたが、おもしろかったです。 久々に、こういう文学部的な文章を読むと楽しいですね。 またこういう文章、調べて書きたいと思いますね。
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