
商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 原書房/原書房 |
発売年月日 | 2006/07/03 |
JAN | 9784562040230 |
- 書籍
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溺れる人魚
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溺れる人魚
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商品レビュー
3.1
25件のお客様レビュー
御手洗シリーズに没入する前に、短編集をいくつか、と思って開くと、片仮名で『キヨシ』と出てきてしまった。 順番間違えたな、でももう閉じられない。狭い街を軒下すれすれに走る電車、言葉だけは知っているロボトミー、不思議だけで終わらせない納得の結末。 車好きを隠さない書き出しの2編目。こ...
御手洗シリーズに没入する前に、短編集をいくつか、と思って開くと、片仮名で『キヨシ』と出てきてしまった。 順番間違えたな、でももう閉じられない。狭い街を軒下すれすれに走る電車、言葉だけは知っているロボトミー、不思議だけで終わらせない納得の結末。 車好きを隠さない書き出しの2編目。ここにも聞き覚えのあるキメラという単語。理系作家か?有ってはいけない倫理無用の実験。推理小説というより科学の闇サスペンスの様相。それは3編目にも引き継がれ、4編目に至ってはとうとう、御手洗シリーズをトレースする女性の手記。未読のままでも充分面白く哀しく、でも希望を書き忘れない作者の心遣い。 読んで良かった。さらに御手洗シリーズへの読みたい欲求が増した。
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御手洗シリーズ短編集で、これまた読み漏らしているのに気付いて読んでみたが、期待していた内容とは違っていた。 四編中三編が舞台を海外にしたもので、主人公も御手洗ではない。キヨシ・ミタライと呼ばれる彼のストックホルム大学時代の話やウプサラ大学に移った現在?の話が混在し、時系列がよく...
御手洗シリーズ短編集で、これまた読み漏らしているのに気付いて読んでみたが、期待していた内容とは違っていた。 四編中三編が舞台を海外にしたもので、主人公も御手洗ではない。キヨシ・ミタライと呼ばれる彼のストックホルム大学時代の話やウプサラ大学に移った現在?の話が混在し、時系列がよく分からない。 「溺れる人魚」 約二キロ離れた場所にいる二人が、ほぼ同時刻に同じ拳銃、同じ弾丸で死んでいた謎。 唯一のミステリー要素ありの作品。とは言え、ページの大半はポルトガルの元オリンピック水泳選手の数奇で悲劇の人生物語に割かれている。 ロボトミー手術については逢坂剛さんの百舌シリーズで初めて知ったように覚えている。他は映画の『カッコウの巣の上で』か。残酷な歴史ではあるが、こうした悲劇があってより良い治療の確立へ繋がってきたのだろう。 肝心の謎解きは突然の啓示のように降りてきて呆気ない。しかしこうした偶然の重なりは正に天の采配かも知れない。 「人魚兵器」 人魚に見える焼死体の写真からかつてナチスが行っていた秘密の研究を明らかにしようとするミタライ。 ナチスに限らず当時は世界中で様々な非人道的研究が行われていただろうから特に驚きはない。今この時も世界のどこかで表に出せない研究をしているかも知れないし、ましてや戦時中の軍事研究というお題目があれば何でも出来た時代ならなおさら。 マルメやヘルシングボリという地名にベニング・マンケルのヴァランダーシリーズを思い出して妙に懐かしくなる。 「耳の光る児」 年齢も産まれた場所も違う四人の子供に、紫外線を当てると耳が光るという奇怪な現象が起こる。 モンゴル帝国の隆盛とロシア、ウクライナ、クリミア半島の関わりの歴史が主で興味深い部分もあるものの、こちらも結局は歴史の闇の話。少々食傷気味。 この作品は2005年初出だが、2014年以降のロシアによるクリミア半島実効支配を島田さんはどう見ているだろう。 「海と毒薬」 ようやく石岡が出て来て御手洗シリーズらしくなったと喜んでいたら、書簡形式でしかも石岡宛の女性ファンの手記が主題だった。タイトルにある『毒薬』をどうするのかハラハラさせられたが、結局救いがあると言えるのかどうか。それは読み手の受け取り方次第。 御手洗シリーズがどうなっているのか分からないが、今回のように御手洗が石岡と組むことがないのなら読まなくても良いかなと思ってしまった。ミステリーとしても期待したのとは違っていたし。島田さんごめんなさい。
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島田荘司さんは初めて読みました。 人魚が関係するミステリが4篇……蘊蓄が凄かったですが、面白かったです。 ロボトミー手術というものがあったのは知っていましたが、無くなって正解だと改めて思いました。人工的にキメラを作る研究、突拍子もないですが戦時中はありそう、とも思ってしまいました...
島田荘司さんは初めて読みました。 人魚が関係するミステリが4篇……蘊蓄が凄かったですが、面白かったです。 ロボトミー手術というものがあったのは知っていましたが、無くなって正解だと改めて思いました。人工的にキメラを作る研究、突拍子もないですが戦時中はありそう、とも思ってしまいました。少しリアリティーがあるところがゾッとします。
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