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憲法「押しつけ」論の幻 講談社現代新書
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憲法「押しつけ」論の幻 講談社現代新書

小西豊治【著】

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憲法「押しつけ」論の幻 講談社現代新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社/講談社
発売年月日 2006/07/20
JAN 9784061498501

憲法「押しつけ」論の幻

¥770

商品レビュー

3.5

5件のお客様レビュー

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2024/03/02

日本国憲法の成立過程に対して二通りの見解がある。ひとつはアメリカ側すなわちGHQによる押しつけによって成立した。もうひとつは日本人が自主的に作り上げた憲法であると。本書は後者の立場を取り、日本国憲法がいかにして、日本人の活動によって誕生したのか、その根拠を示しながら解説する。  ...

日本国憲法の成立過程に対して二通りの見解がある。ひとつはアメリカ側すなわちGHQによる押しつけによって成立した。もうひとつは日本人が自主的に作り上げた憲法であると。本書は後者の立場を取り、日本国憲法がいかにして、日本人の活動によって誕生したのか、その根拠を示しながら解説する。  敗戦後間もなく、高野房太郎を中心に、今後の日本の憲法について考える憲法研究会が誕生した。そのメンバーのうち、鈴木安蔵が日本国憲法成立における重要人物である。鈴木安蔵は以前から在野で明治憲法に関する研究をしており、その研究のなかから、植木枝盛の草稿本を見出す。その内容を読むと、国民主権など日本国憲法の条文に含まれる事項があり、ある意味で、植木枝盛が日本国憲法を作ったと言っても過言ではない。  憲法研究会はこのように過去の思想家をもとに草案を作成し、それを中佐に提出する。この人物はマッカーサーの部下にあたり、マッカーサーから占領政策の枠から大きくはみ出さない限り、自由に方針を立てる許可を得ていた。それほど信頼される人物であった。そして、中佐の草案からマッカーサーへと橋渡しをして、それを日本政府側に提案する。このように、一見すると押しつけしたように見えるが、その発端に注目すると、日本人が、それも過去の思想家の考えをベースにした。そのことから、本書は日本人による自主憲法と見なすのだ。

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2012/02/25

法押し付け論については、かつて「現行憲法には押し付けである部分もあれば押し付けではない部分もあり、要するに『確かに押し付けだが単なる押し付けではない』という結論が妥当なところです」と書いたことがある。何だか曖昧な結論だが、憲法制定過程に照らせばそれ以外には表現しようがない。 「...

法押し付け論については、かつて「現行憲法には押し付けである部分もあれば押し付けではない部分もあり、要するに『確かに押し付けだが単なる押し付けではない』という結論が妥当なところです」と書いたことがある。何だか曖昧な結論だが、憲法制定過程に照らせばそれ以外には表現しようがない。 「押し付けでない部分」の一つは、民間の憲法研究会が起案した「憲法草案要綱」がGHQ案に大きな影響を与えている点だ。古関彰一『新憲法の誕生』も、「憲法研究会案とは、自由民権期の憲法思想が、半世紀にわたる弾圧のあとで(略)復権を果たしたことを意味する」と評している。小西は、憲法研究会のメンバーであった自由民権運動・憲法史研究家の鈴木安蔵を中心として、こうした憲法改正案作成の経過をたどる。 この鈴木をGHQに紹介したのが、当時カナダ外務省からGHQに出向していたハーバート・ノーマンだ。鈴木の研究を機縁として、GHQは独自に植木枝盛ら自由民権期の憲法思想まで調査していたらしい。これには正直驚いた。まさに、ノーマンが媒介した日本の民主勢力とGHQとの連携こそが、あの日本国憲法を生んだのである(ノーマンは後にマッカーシー旋風の中で共産主義者との嫌疑を受け自殺)。

Posted by ブクログ

2010/12/17

[ 内容 ] 終戦直後、在野の「憲法研究会」が起草した画期的な民主主義的憲法の草案。 それこそが国民主権・象徴天皇のルーツだった―史料を丹念に読み解き描き出す、憲法成立の真相。 [ 目次 ] 第1章 憲法研究会 第2章 鈴木安蔵の自由民権運動研究 第3章 鈴木安蔵と憲法研究会の...

[ 内容 ] 終戦直後、在野の「憲法研究会」が起草した画期的な民主主義的憲法の草案。 それこそが国民主権・象徴天皇のルーツだった―史料を丹念に読み解き描き出す、憲法成立の真相。 [ 目次 ] 第1章 憲法研究会 第2章 鈴木安蔵の自由民権運動研究 第3章 鈴木安蔵と憲法研究会の天皇構想 第4章 ラウエル中佐と総司令部民政局 第5章 ラウエル「所見」とマッカーサー草案 第6章 ノーマンという媒介者 第7章 「象徴天皇」をめぐって 第8章 憲法研究会の「象徴天皇」 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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