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美しき罠 ハヤカワ・ミステリ
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美しき罠 ハヤカワ・ミステリ

ビル・サンボーン・バリンジャー(著者), 尾之上浩司(著者)

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美しき罠 ハヤカワ・ミステリ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房/
発売年月日 2006/09/25
JAN 9784150017910

美しき罠

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商品レビュー

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2023/04/23
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※このレビューにはネタバレを含みます

ポケミスながら(何が起こったのかという引っ張りはあるものの)ミステリではなくノワール、カルメン型古典悲劇を20世紀半ばの米国に移植した感じ。あるいは生まれは貧しいが優秀な主人公が、友人想いの仲間に恵まれながら誰も彼を破滅から救うことができなかった点で「赤と黒」に通ずるものもある。中西部の僻地出身の真面目で家族想いな若者が結婚しNYに出て慎ましく健気に努力を重ね警察で職を得て昇進して行くまで、さらりと描いているが応援したい気持ちになるには十分。一転警部補として職務で接触したならず者の元妻に夢中になって悪徳刑事に成り下がる姿は狡猾ながら妙に気持ちがわかるような気にさせられるのが作者の上手いところのようだ。妄執が常軌を逸しているのに頭と身体は冷静で、犯罪現場を無駄な動きなく自由自在に工作する引き締まった展開が鮮やかで妙に印象的。この辺は警察で自白し神父である弟に告白したのか。安っぽい金の亡者で全く好感の持てなかった悪女(最後まで彼女の本名は不明)も、終盤で気の毒すぎる人生が判明し元夫を憐れむ姿には同情してしまう。主人公の荒みぶりと並行して進む隠し金探しの徹底捜査から無残な敗北までの流れも一気に読ませる勢いがあり、途中酒場の店主との結論の出ない会話も考えさせられるものがあった。評価の高くない作品のようだけれど切なさが好み。邦題は原作の副題Beautiful trapを和訳した美しき罠ながら、ヒロインが決して美しく描かれていないので違和感が出て損しているかもしれない。原題Raffertyは主人公の名字で響きがきれいだなと思う。

Posted by ブクログ

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