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メンデルスゾーンとアンデルセン
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メンデルスゾーンとアンデルセン

中野京子【著】

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メンデルスゾーンとアンデルセン

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 さ・え・ら書房/さえら書房
発売年月日 2006/04/01
JAN 9784378028415

メンデルスゾーンとアンデルセン

¥1,650

商品レビュー

4.3

4件のお客様レビュー

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2025/02/01

◼️中野京子 「メンデルスゾーンとアンデルセン」 裕福な音楽家、貧困から這い上がったアンデルセン、歌手ジェニー・リンドの報われない三角関係。 クラシックは好きでよく聴きに行く。ただメンデルスゾーンはヴァイオリン協奏曲、いわゆるメンコンと一部のピアノコンチェルト、それに「イタリ...

◼️中野京子 「メンデルスゾーンとアンデルセン」 裕福な音楽家、貧困から這い上がったアンデルセン、歌手ジェニー・リンドの報われない三角関係。 クラシックは好きでよく聴きに行く。ただメンデルスゾーンはヴァイオリン協奏曲、いわゆるメンコンと一部のピアノコンチェルト、それに「イタリア」「幻想交響曲」しか知らなかった。リストの手によるショパンの伝記にメンデルスゾーンも出てくるが断片的で、どうも「幻想」の怪しさに、良くない先入観を抱いていたかなと。今回初めてじっくりと向き合えた気がする。 フェリックス・メンデルスゾーンはドイツ・ハンブルクの銀行家の家族に生まれ生涯裕福、最高の教育を与えられた。容姿端麗、幼少の頃から音楽の才に恵まれ、順調に頭角を現す。しかし、ユダヤ人ということであからさまな差別を受ける。 4歳年上のハンス・クリスチャン・アンデルセンはデンマークの貧困家庭から14歳でコペンハーゲンに出て苦労の後、枢密顧問官ヨナス・コリンの援助を得て大学に入り、文才を開花させた。 さらに年下の歌手ジェニー・リンド。コペンハーゲン出身で性悪な未婚の母に何度も捨てられた。歌唱力がたまたま王立劇場の関係者の耳に止まり、未来が拓けていく。 スウェーデンで評判になったリンドをデンマークで公演させる説得役となったアンデルセンは彼女を情熱的に恋する。チョー楽観的な彼は毎日のように会いに行った。しかしリンドはすでに妻子がいるメンデルスゾーンと出逢って深い恋心を抱いた。 穏やかで品のいいフェリックスの苦悩、チョー楽観的なハンスの猛烈で遠慮のないアタック、ハンスに困惑、お兄さまと言って距離を置こうとし、フェリックスと多くの充実の時をともにするジェニー、そしてそれぞれの破局が語られる。 その底にはそれぞれの活躍が華やかに述べられている。ゲヴァントハウス管弦楽団の名を大いに高めたフェリックスはヨーロッパ中で人気を博す。アンデルセンはその創作童話で知らぬ者のない作家となり、フェリックスとも親しくなる。ジェニー・リンドは「スウェーデンのナイチンゲール」と呼ばれ、ショパンには「北極のオーロラ」と称えられたその歌声でやはりヨーロッパ中をツアー、クララ・シューマンとも親しくなり大好評を博したという。 早逝したメンデルスゾーン、長生きした童話作家と歌手。複雑な国際情勢のもと、ゲーテをはじめ著名な文化人も多く出てくるヨーロッパの芸術界で3人の人生が交錯し生まれた蹉跌、美しさと陰が描かれる。 知的好奇心を刺激される、興味あるジャンルのエピソード紹介物語だった。この時代は少し特別で、画壇や科学史、芸術の分野で現代に賞賛される多くの成果を生んでいる。さらにこの時代の音楽家、文人らの付き合いを想いながら考えたり成果、作品を賞でたりするのは、なぜかなんとも言えず好ましい。リンドとクララ・シューマンなんて、聴くことも見ることも永遠にできない、遥かな過去への憧れだ。 作中に出てきたメンデルスゾーンの曲、ことにリンドが歌ったという「歌の翼に」でも聴いてみよう。アンデルセンの初読の童話でもあれば最高。ちなみにこの本を借りてから鼻歌が昔のアニメになった。夢のつみきをつみかえよう^_^

Posted by ブクログ

2017/02/16

冒頭から、とても綺麗な日本語でうっとりしながら読み始めました。 ドイツの音楽家メンデルスゾーンとデンマークの童話作家アンデルセン、そしてスェーデンのオペラ歌手リンドの3人のお話です。 構成も美しく、各チャプターの終わり方も綺麗で、なにより日本語が本当に美麗で、読んでいて気持ちが...

冒頭から、とても綺麗な日本語でうっとりしながら読み始めました。 ドイツの音楽家メンデルスゾーンとデンマークの童話作家アンデルセン、そしてスェーデンのオペラ歌手リンドの3人のお話です。 構成も美しく、各チャプターの終わり方も綺麗で、なにより日本語が本当に美麗で、読んでいて気持ちが良いです。 クラシック音楽家にしては珍しく、(とてつもなく)裕福な家に生まれたメンデルスゾーンは、金銭的には苦労をしたことがないために、よく全てが順風満帆に行った音楽家だと扱われがちですが、ユダヤ人だった彼がその才覚の高さ故に直面しなければならなかった様々なことについて触れていて、心を打たれます。 この本を読んだあとに、弦楽四重奏ヘ短調を聴きましたが、あらためて、どうして彼ほどの音楽家の作品が「軽い」「優美さだけ」などと評価されているのかが不思議になるほどの出来でした。 メンデルスゾーンという音楽家にも彼の作品にも魅力を感じる私にとっては、メンデルスゾーンをただの富豪の跡取りとして書かれていないこの本は、救いのようにも思えました。 作者の方が真摯に向き合ってくださったのが分かる、良著です。

Posted by ブクログ

2011/12/07

次はメンデルスゾーン弾こうと思って、なにかないかなと図書館で検索かけてたまたま出てきた本。こんなに恵まれた環境の作曲家ってなかなかいなかったんじゃないかな。祖父は著名な哲学者、父は富裕な銀行家、子煩悩で教育熱心な両親の愛情をいっぱい注がれて育ち、語学に堪能、名文家、セミプロ級の画...

次はメンデルスゾーン弾こうと思って、なにかないかなと図書館で検索かけてたまたま出てきた本。こんなに恵まれた環境の作曲家ってなかなかいなかったんじゃないかな。祖父は著名な哲学者、父は富裕な銀行家、子煩悩で教育熱心な両親の愛情をいっぱい注がれて育ち、語学に堪能、名文家、セミプロ級の画の腕、水泳はコーチより早い、そして何よりも音楽の才能が一番秀でていておまけにイケメン!なのに、とても控え目で愛妻家で、なんちゅう素晴らしい人なんでしょね(人´∀`).☆.。.:*・゚もう次は絶対無言歌集弾くし!!! そんなメンデルスゾーンと、貧困な生まれの童話で有名なアンデルセンと、同じく貧困なうえに親の愛情に恵まれない生い立ちでイギリス紙幣にもなった歌手のジェニーとは、不思議な縁で関わってたという実話。 レビューに内容はなるべく書かないように気をつけていますが、、、、アンデルセンのKYぶりには驚きましたわー。メルヘン童話そのままに楽天的な。いくらふられても懲りてなくって。というか、ふられてるのに全然、、、すごい前向きなのでした^^;;;

Posted by ブクログ