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アメリカ第二次南北戦争
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アメリカ第二次南北戦争

佐藤賢一【著】

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アメリカ第二次南北戦争

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社/光文社
発売年月日 2006/08/25
JAN 9784334925116

アメリカ第二次南北戦争

¥1,870

商品レビュー

3.7

10件のお客様レビュー

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2017/02/07

アメリカの分断を先取りした娯楽小説。 よくやる国別ステレオタイプジョークをエスカレートさせたような感じ。すぐに南部に進んだからか、ギークやナードが出てこないのは物足らなかった。

Posted by ブクログ

2016/02/07

 『アメリカ第二次南北戦争』というタイトルと、「アメリカは成功したオウム真理教」などという紹介文を見たら、別に佐藤賢一作品でなくとも気になるというものだ。近未来小説だが、もはや今年の出来事になってしまった。  2013年、アメリカ初の女性大統領がダラスで暗殺され、黒人の副大統領...

 『アメリカ第二次南北戦争』というタイトルと、「アメリカは成功したオウム真理教」などという紹介文を見たら、別に佐藤賢一作品でなくとも気になるというものだ。近未来小説だが、もはや今年の出来事になってしまった。  2013年、アメリカ初の女性大統領がダラスで暗殺され、黒人の副大統領が昇格して銃規制に乗り出す、という出来事を契機に、南部諸州を中心としたアメリカ連合国が独立を宣言し、合衆国と内乱状態に陥る。世界各地に配備されていたアメリカ軍は本国に引き返し、連合国と合衆国に分かれ、軍事的に優位な連合国が合衆国に空爆する。  とりあえず停戦状態となった分裂アメリカに日本国内閣官房政府広報室の役人である「私」が「うちの部で独身は君だけだから」と、広報誌の取材のために派遣されるというのが、思いもよらないが、読み進むとなるほどあり得るかも知れないと思われてくるこの小説の設定である。アメリカがそんな状態なので国連本部は日本に移転していて、常任理事国になっていたりするなど、細部の設定もニヤリとさせられることが多い。ニューオーリンズの攻防戦では、フランス史に詳しい佐藤賢一、当然、アレが出てくる、など。  この内乱の本質を見極めるという命を受けた「私」は合衆国から連合国へと、連れを増やしながら珍道中を続けていく。出てくる人物はそれぞれ違うタイプの馬鹿だが、みんな馬鹿。日本人も馬鹿だが、アメリカ人はもっと馬鹿。という調子で、中盤スラップスティックになりそうなのだが、そこは佐藤賢一、歴史的パースペクティヴから、アメリカという国の本質を「成功したオウム真理教」という刺激的な比喩で描き出す。世界はアメリカを必要としていない。アラブ人は端からそう思っているだろうが、いわれてみれば、その通りと思わされる昨今の国際情勢である。中東戦略も、京都議定書も。そして世界はアメリカを必要としないということに、なかなか気づかないわれわれ日本人に対しては、日本とアメリカを男と女の関係に譬えて説き起こすのも、この作者らしい。  私は日本がその国土を失ってしまう小説(小松左京『日本沈没』)と、第2次世界大戦でアメリカが同盟国側に勝てなかった小説(ディック『高い城の男』)を頭に思い浮かべて、とこかで引き比べつつ読んでいた。しかし、考えてみると、小松左京の「アメリカの壁」と対照すべきかも知れない。いわばアメリカという国の沽券を蹴散らし、虚仮にしたこの小説を面白がって読むことに、アメリカに対する日本人のコンプレックスがまさに表現されているのではないかなどと屈折した思考に落ち込むあたり、まだまだわれわれ(私?)はアメリカから自由ではない。

Posted by ブクログ

2014/09/26

 図書館より  大統領暗殺事件を機に内乱状態となってしまったアメリカ。そしてそれはアメリカを”アメリカ合衆国”と”アメリカ連合国”とに二分にする事態にまで発展する。  内紛から二年、休戦条約が交わされた合衆国に現地調査のため森山悟が送られる。  序盤は展開が遅く、また話の背景...

 図書館より  大統領暗殺事件を機に内乱状態となってしまったアメリカ。そしてそれはアメリカを”アメリカ合衆国”と”アメリカ連合国”とに二分にする事態にまで発展する。  内紛から二年、休戦条約が交わされた合衆国に現地調査のため森山悟が送られる。  序盤は展開が遅く、また話の背景がシリアスなわりに登場人物たちがハチャメチャでそのギャップにも戸惑いました。具体的に書くと、  主人公の悟は義勇兵の取材で出会った女性兵士ヴェロニカと出会ったその日にセックスをし、その後もたびたびなんでそんな場面で? という個所で邪な想像をし、 彼になぜか同行するヴェロニカは周りを気にしない自由奔放っぷり。  そんな彼らに暗殺事件の真相を一緒に調べるよう依頼するマーガレット・スペンサーも重大な事件の調査をしている割に調査があまりにもお粗末…。 悟の現地案内をすることになる義勇兵の結城はまだマトモですがアメリカの話になると周りが見えなくなり…  しかし中盤以降話はぐんと面白くなります。アクションシーンあり、頼りなく描かれていた悟の男らしいシーンあり、そして明らかになっていく大きな陰謀論と読まされます。  自由奔放だったヴェロニカの言動もいつの間にか魅力的に思えてくるのが不思議です(笑)  正直始めはなぜこの話でヴェロニカのようなハチャメチャなキャラを出すのか疑問だったのですが、 読み終えてみるとこの話を気持ちよく締めるのには、彼女のような存在が必要だったのだな、と思えました。  著者である佐藤さんのアメリカ論もなかなか面白かったです。著者紹介によると大学院の博士課程も受けていた方らしく、 そのためか作品内のアメリカ論もリアリティや実感があるように考証されているのだな、というのが伝わってきました。

Posted by ブクログ

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