商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房/筑摩書房 |
発売年月日 | 1986/03/01 |
JAN | 9784480020130 |
- 書籍
- 文庫
ギリシア悲劇(3)
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ギリシア悲劇(3)
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商品レビュー
4
4件のお客様レビュー
神、英雄、人それぞれ悲しみもそれぞれで、無常である。正に悲劇だ。2500年近く前の傑作を読めるのはとてもうれしく幸せである。 『メデイア』『ヒッポリュトス』『イオン』『トロイアの女』が特に良かった。
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文庫で読めるギリシア悲劇には、岩波文庫で幾つかと、ちくま書房の「ギリシア悲劇」シリーズがある。ちくまのシリーズは、現存する全作品が文庫4冊に収録されているので、がっつり読みたいときにはとても便利(岩波も「オイディプス王」などは名訳中の名訳なので捨てがたい)。 今回読んだのは第3集...
文庫で読めるギリシア悲劇には、岩波文庫で幾つかと、ちくま書房の「ギリシア悲劇」シリーズがある。ちくまのシリーズは、現存する全作品が文庫4冊に収録されているので、がっつり読みたいときにはとても便利(岩波も「オイディプス王」などは名訳中の名訳なので捨てがたい)。 今回読んだのは第3集エウリピデス。エウリピデスの作品で最も有名なのはやはり「メディア」だろう。 一人の女の復讐譚。夫に裏切られたメディアが、その復讐のために我が子を手にかける過程が描かれる。嫉妬と怨みとにかられたメディアは、夫に対する復讐を画策する。そして取られたのが、自らと夫との間に生まれ育った子供を殺めるという非情な手段。子供とは男にとって自らの家系を未来へと繋ぐ役割を担う存在であり、それだけに極めて大切な存在であった。だから、大切な後継たる子供を殺すということは、夫に対する最大級の復讐だといえる。 しかしそうは言っても、メディアの心は揺れ動く。我が子を手にかけることの罪悪をメディアも十分に自覚ししばしば躊躇う。しかし最後には自らの復讐を優先させ、我が子を自らの手で殺害する。そして、その子供の死体を夫の前に晒し、メディアは去っていく。 この作品はしばしばジェンダーの視点から論じられることがある。確かに、家父長制的な男性優位社会とそこでの女の惨めな取り扱いとへの異議申し立てとして読むこともできる。しかし、それはあまりに現代的な視点からの読みに過ぎる気がする。そう読める、というだけであり、それ以上のものはない。やはりここは純粋に、徹底した情念の物語として読むほうがいいんじゃないか。 「オイディプス王」や「アンティゴネ」などソポクレスの作品に特に顕著だと思うのだけど、一般にギリシア悲劇は知性や理性に重きを置いた作品が多い。神と人、古来の価値観と新しい価値観、さまざまな対立軸はあるが、それらがよって立つのが知性であり、対立の解消もまた知性によってなされる。どの作品にも知性に対する信頼がある。しかし、「メディア」に限っていえば、メディアの情念は知性に優越する。すべての原動力は夫への怨みであり復讐心である。そうした情念の優位性というのは、古代ギリシアでも現代でも変わらない。エウリピデスから25世紀を経た現代でも、情念は人を突き動かす。この時代を超えた普遍性があるからこそ、現代まで 残ったのだろう。
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時代が降ってきたせいか…構成が複雑になってきているような。 正統的な神話や説話を設定などを変えて独自の筋立てにしていたりする。 身を清くしようと女性を斥けすぎたヒッポリュトスは父の後妻に言い寄ろうとしたと疑われ、父親に呪い殺され、仇敵ヘラクレスの子供たちを殺して未来の安心を確実...
時代が降ってきたせいか…構成が複雑になってきているような。 正統的な神話や説話を設定などを変えて独自の筋立てにしていたりする。 身を清くしようと女性を斥けすぎたヒッポリュトスは父の後妻に言い寄ろうとしたと疑われ、父親に呪い殺され、仇敵ヘラクレスの子供たちを殺して未来の安心を確実なものにしようとしたエウリュステウスは滅ぼされる。 やはり、まんなか五十。何事も程々がいいようだ。 トロイア戦争で負けたトロイアの女たちがギリシアに奴隷として連れて行かれる凄まじい不幸を描いた「トロイアの女」が印象に残った。 アルケスティス メデイア ヘラクレスの子供たち ヒッポリュトス アンドロマケ ヘカベ 救いを求める女たち ヘラクレス イオン トロイアの女 Mahalo
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