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民謡地図(6) 田植唄と日本人
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 本阿弥書店/本阿弥書店 |
発売年月日 | 2006/08/10 |
JAN | 9784776802631 |
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民謡地図(6)
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日本全国の「田植え唄」の歌詞、節、歌われ方、習俗などを知らないと書けない内容。多分この著者以外にこれだけの内容を書ける人はいないだろう。600ページ超の大作で読みごたえがある。 ぶ厚い本なので、まだ全部を詳細に読んだわけではないが、いくつか重要な指摘があるので箇条書にメモしてお...
日本全国の「田植え唄」の歌詞、節、歌われ方、習俗などを知らないと書けない内容。多分この著者以外にこれだけの内容を書ける人はいないだろう。600ページ超の大作で読みごたえがある。 ぶ厚い本なので、まだ全部を詳細に読んだわけではないが、いくつか重要な指摘があるので箇条書にメモしておく。 1. 「はやし田」系統の田植え唄の成立 中国地方(特に広島、岡山、島根等)に盛んだった「はやし田」系統の田植え唄の複雑な構造が、どのようにして形成されたのかについて、一応の筋の通った説明を与えている。たとえば、有名な広島県大朝町新庄の囃子田の唄でも、A型親子唄/B型親子唄等と「日本民謡大観 中国篇」で分類された「五五七四+五五七四」(例:今朝殿の見送りに金のかんざし落といた云々)あるいは「五七五+五七五」といった詞形の唄が入り乱れ、合間に「オロシ」と呼ぶ「七七四」という詞形の唄が入り、サンバイと早乙女の掛け合いで歌い継いでいくあの形がどのようにして生まれてきたのかに対する説明。 2. 「田植え技術者集団の業唄」=「田植え唄」という指摘 これは昭和50年代の著者の論文でも、そういうことを推測していたが、「はやし田」文化圏のある地区でみられた「惣請け」という制度や、山梨県忍保村での静岡県御殿場より、田植え技術と「田植え唄」がセットで伝承された例など、具体的証拠が出て来て、説得力が増した感じを受ける。 3. 関東~中部の「田植え唄」は「これさま」と「芋の種」であること これはたぶん専門家でも、よほど民謡に詳しくないと(じっさいに多種の「これさま」や「芋の種」系統の唄を聞いたことがあり、歌詞やメロディーが頭に入ってないと)、論考そのものが読んでも理解できないような気もする。 1. と同様にして、「歌掛け」の中で「これさま」と「芋の種」が分離してきたような発展の仕方があったと書いてあるように読める。この項は自分がいろいろなお年寄りから「田植え唄」を聞いた茨城県のや千葉県の例が主役なので、親近感を持って読める。メロディーや歌詞の形がとらえどころがない「田植え唄」が多かった(とくに茨城県南部)のだが、なんとなくその理由がこの項を読んで、少し納得できた。 部分的にやや強引な推測、論考もあるが、強引であることを断った上で書いてあるから、問題はないだろう。
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