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回転木馬
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回転木馬

サマセット・モーム(著者), 宮川誠(訳者)

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回転木馬

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 近代文芸社/近代文芸社
発売年月日 2005/11/25
JAN 9784773373097

回転木馬

¥2,750

商品レビュー

4

2件のお客様レビュー

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2017/01/23

翻訳が素晴らしい。「人間の絆」の原点を垣間見るような身分違いの結婚にまつわるエピソードなど、ストーリーの魅力で500ページを一気に読ませる。

Posted by ブクログ

2012/04/11

 回転木馬-メリーゴーラウンドに乗ることができるのは、動きが止まったときだけ。しかし、そのときというのは回転木馬が回転木馬であり得ない瞬間、単なる馬の形を真似た人工的な創作物であることを露わにする束の間に過ぎない。  そこに乗ることができる人間はその瞬間を逃さなかった幸運な人々-...

 回転木馬-メリーゴーラウンドに乗ることができるのは、動きが止まったときだけ。しかし、そのときというのは回転木馬が回転木馬であり得ない瞬間、単なる馬の形を真似た人工的な創作物であることを露わにする束の間に過ぎない。  そこに乗ることができる人間はその瞬間を逃さなかった幸運な人々-それ以外の人々は、その回る勢いに弾き飛ばされるかもしれないという細やかな恐怖感をもって、その回転木馬を眺めなければならない。  たかが遊戯の道具に過ぎないにも関わらず、幸運に恵まれた者のみ乗ることができる乗り物、それが回転木馬。  しかし、一度回転木馬に乗ってしまった者は、それが止まるまでそこから降りることができない。  そこから落ちれば怪我をすることだって珍しくない。降りるタイミングを掴むのは予想以上に難しいのかもしれない。煌びやかに装飾された模造の馬に乗り、隣り合わせの同じように煌びやかな馬が走って行く様に付き合っていくことも決して悪い気分ではない。むしろ回り続ける限り、その木馬に乗り続けることは心地良いことなのだろう。  たかが遊戯の道具に過ぎないにも関わらず、そこに居続けることが心地良く感じさせるだけの効用があり、そこから降りることに傷付く勇気を必要とする乗り物、それが回転木馬。  そんな回転木馬の内部と外部を、遠目に眺めることができる場所-それは回転する軸の部分。波打つように、あるいは高速で回転する木馬の動きを眺めることができる場所。ときに嘲笑混じりに、あるいは過剰な感情を抱きながらも、冷静に周囲を見回すことができる落ち着くことができる場所。  しかし回転する軸である以上、絶対にそこから抜け出すことはできない。  回転木馬の外にいれば乗る機会をうかがったり、そこで失敗することもできる。  回転木馬に乗っていれば、乗ったり降りたりする困難と背中合わせで、その楽しみを堪能することができる。  しかし軸である以上、そこから外に出ることはできない。木馬に乗ることさえできなければ、騎乗に失敗し傷つくことさえできない、ある種の孤独を背負わざるを得ない場所。  たかが遊戯の道具に過ぎないにも関わらず、その楽しみさえ味わうことができない、別の何かに癒しを求めなければならない困難さ。もっとも、その癒しが見つかれば、たとえ儚くとも心の平安は保てるのかもしれないけど。  様々な人物が登場する古典的小説。  それぞれが回転木馬のような人生を背負いながら生きている。  その苦悩が読後に残る。  

Posted by ブクログ

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