夏樹静子のゴールデン12 文春文庫

夏樹静子(著者)

• 内容紹介: 内容:死ぬより辛い. 特急夕月. 一億円は安すぎる. 逃亡者. 足の裏. 凍え. 二つの真実. 懸賞. 宅配便の女. カビ. 一瞬の魔. 罪深き血. 鼎談 夏樹静子,権田萬治,五十嵐均述
• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 1997/05/10
• JAN: 9784167184223

商品レビュー

2024/08/02

夏樹氏の短編１２の作品集。

「死ぬより辛い」　最初からガツンときた。夕食の支度を終わって隣の部屋で寝ているはずの４か月半の我が子を見に行くと、なんと窓から入り込んだビニールが子供の顔にかかっていた。それからの私の行動。まずは自身の気持ちとして信じられない偶然に動転する、そして子供をことのほかかわいがっている夫に知れたらどうしよう、それを隠したい気持ち。この相克の時間がいたたまれない。ところが夫の別の姿を知ることになり、・・そしてさらに私のとった行動は・・　最後が効いている。

発表が昭和46年。主人公の主婦・私は6畳と4畳半の２DKのアパートに6畳一間から移ってきた。その昭和感が覆う作品でもあった。

実は夏樹静子は初めて読んだ。心理のある一面を切り取る感じ。

最後には、夏樹静子、横田萬治（評論家）、五十嵐鋼三（ミストラル株式会社社長にして夏樹氏の実兄）の鼎談があり、１２作への解説がある。

1994.5.26第１刷　図書館

2016/04/04

先頃逝去した著者の作品はと、本棚から本書を取り出す。
本書は、作家生活２５周年を記念して全短編の中から選りすぐったベスト１２編だそうで、１９年ぶりの再読となった。
昭和４６年から平成５年の間に発表された作品が網羅されている。
トラベルミステリーあり、ブラックユーモアあり、トリックものありと、バラエティに富んでいるが、今読み返すと、多少古くさく感じてしまうのは否めない。

2010/01/24

短編集で、まぁ面白いものもあるんだけど、つまらないものの方が多かった。
先が読めてしまい、覆してくれると信じていたら実際そのとおりのオチ、というのが多い。