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鋼の女 最後の瞽女・小林ハル 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2003/08/25 |
JAN | 9784087476118 |
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鋼の女
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商品レビュー
4.5
12件のお客様レビュー
農村の性暴力の危機や…
農村の性暴力の危機や師匠のいじめなど、苦難の連続を淡々と、静かに生きたハルさんの生き様は、それだけに説得力があります。
文庫OFF
盲目の旅芸人、瞽女。小林ハルさんの半生を通じて語られるのは女性、障害、様々な理由で差別をするかつての日本の姿。 同時に苦しい生活の中でも瞽女たちをあたたかく迎える社会の姿でも有る。困難な時代と社会の中でどんな修行僧よりもストイックに、誠実に生き続けたハルさんの姿が眩しい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
15年ほど前に、斎藤真一の絵を地元のギャラリーで見て初めて、瞽女さんという存在を知り、以来非常に興味を持っていた。ギャラリーで見た絵は80万円の値がついていて、結婚を目前にしていた私は、「女の人生・運命」というテーマを感じ、よほど買いたいと思ったのだが、一緒にいた母が「訴えかけてくるものがあまりにも悲しすぎる」と反対したため諦めた。今でも、あのとき買えば良かったと思っている。 さて、この本も偶然知ったのだが、最後の瞽女として無形文化財に指定されたり、様々な勲章を得るなどして晩年に有名になった「小林ハル」さんを取材したもの。女性の自立した生き方に関する本を多数著している下重暁子さんが、小林ハルさんの来し方を取材し、瞽女として歩いて旅した道や上越地方の山村、暮らした温泉地などの足跡をたどり、そのくらしの厳しさやハルさんの気持ちに想いをはせながら、ハルさんの人生を綴っている。定期的にハルさんに面会し、現在(1990年前後)の状況やテレビ取材があったときのことと、過去が入り乱れて書かれているのでちょっと読みづらい。なんか、ハルさんの来し方をそのまま物語のように時系列で書いた方が入り込んで読めそうだと思ったのだが、あえてそうしなかったのは著者なりの狙いがあるようだ。ハルさんという明治・大正・昭和を生きた一人の女性の人生に、現代の女性も自分を重ね合わせることができる、という感じかな。瞽女という文化はもう失われ、盲目の女性たちが手引きを頼りに危険な道を歩き旅するような時代ではなくなったが、運命に抗わず、自分を律して生きることの美しさは変わらず尊いものだと。 また、戦前の、娯楽のない山村で、瞽女がどのように歓待されたか、ホテルや旅館などがない時代に、瞽女を含む旅の人たちがどのように宿をとったか、庄屋や地主は地域の中でどんな役割を果たしていたか、など、近現代史の視点からも興味深い。終戦を経て、高度経済成長期に瞽女のような文化が衰えていった経緯も、ハルさんの人生を通してみると理解しやすい。 いろんな意味で勉強になった。読んで良かった!
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