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明治・大正・昭和 30の「真実」 文春新書
748円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2003/08/20 |
JAN | 9784166603312 |
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明治・大正・昭和 30の「真実」
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明治・大正・昭和 30の「真実」
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商品レビュー
2.5
4件のお客様レビュー
一つ一つの話が短く読…
一つ一つの話が短く読みやすかった。ただ、前提・通説と言われる話を知らないと面白くない。
文庫OFF
当たり前のことだが、歴史の中で起こった事実を当事者でない自分たちが書き残し、それが歴史として認識されていくのだから、完全に隅から隅まで真実だという事は難しい。例えば歴史は、当時の会議記録や個人の日記、国が纏める戦史などが根拠となっているが、それ自体も人が書いた記録であり、ただ一つ...
当たり前のことだが、歴史の中で起こった事実を当事者でない自分たちが書き残し、それが歴史として認識されていくのだから、完全に隅から隅まで真実だという事は難しい。例えば歴史は、当時の会議記録や個人の日記、国が纏める戦史などが根拠となっているが、それ自体も人が書いた記録であり、ただ一つの真実である事はない。 個人が書き記した日記であれば、書いた本人がどの様な組織に属していたか、例えば政党であればどの様な主張をしていたのか、思想などによる肩入れなどが入っているのが普通だ。会議の議事録などは未だ参加者から議事録に残す文面と残さない文面は発言者から当然の如く選別の指示が入ったりする。こうなると都合の良い事ばかりが真実として残ってしまう。国立図書館にある戦史業書に至っては、聞き取りを行うべき人々の大半が戦場で死に、残った軍人にしろ生き延びた一部の関係者にすぎない。寧ろ真実を語れるはずの現場を見た軍人などは大半が戦死してしまっており、果たして生き延びた人々が「何故生き残ったのか」「過ぎ去った戦争にどの様な感情を抱いているのか」で偏りを避けようにも完全に拭い去ることなど不可能だ。歴史教科書問題に代表される様に、国家として今どういった立場を取るべきか、戦後の賠償責任に際して取っておかなければならないか。ここまで来ると国ぐるみの歴史の捏造にも及びかねない。 我々一般市民が触れている歴史認識にも注意が必要だ。新聞報道の伝え方には世論を誘導しようとする意識が有り有りと見えてくるし、幾ら真実を国民に伝える、知る権利を守るなど美辞麗句を並べようとも、誤りや嘘はこれまでに何度も新聞誌面を賑わせてきた。戦後の国民が感じている戦時中の出来事や、戦争に至る経緯などはかなり歪曲されて伝わることが多い。 例えば本書でも紹介されている、戦争は軍部が誘導したという考え方。確かに政府内にも陸軍大臣や海軍大臣がいるのだから、軍部の意図は反映させやすいものの、参謀本部が日中間の問題を早期に解決したかった軍部と、賠償金をもっと取るべきとする政府の立場が対立し、国民を代表する政府に内閣解散をちらつかせて、軍部の譲歩を引き出そうとするなど、寧ろ軍部と政府の考え方が真逆に伝わっている。冷静に戦局を分析する軍部に対して、一時的な勝利に踊り「さあやれ、もっとやれ」と熱を帯びる政治家。かの有名な近衛内閣の「蒋介石の国民党を相手にせず」は折角の戦争終結のチャンスを無駄にした政府の姿勢をそのまま表している。 また、陸軍悪玉、海軍善玉も戦後に作られたイメージであり、高木惣吉の著書に国民が影響されたとの本書の解説通りではないかと感じる。現に極東軍事裁判における、平和に対する罪では海軍からは1人の処刑者も出さないのに、東條英機をはじめとする陸軍ばかりから処刑者が出て、前述のイメージ確立に大きく影響したと感じる。山本五十六も中国戦線で存在感を示す陸軍に対し、鍛え上げた自分たちの海軍が何もしないでは存在感すら出せない、だから真珠湾攻撃を引き受けたと考えてもおかしくない。海軍は個々人が戦争突入に反対した意見をもちながら海軍として公式に反対の立場を取っていない。なのに陸軍悪玉のイメージは根強い。 こうした顕著に間違っていると捉えられる認識について、あくまで歴史上の主流に近い立場から、勘違いである事を解説していくのが本書の面白いところだ。決して「新事実!」と呼ぶ様なものでもなく、ただ冷静に勘違いを訂正していく形で進む。 ただ一つ言えるのは冒頭に記載した様に、あくまで歴史の側面を一方から見た記載であることには変わりない。本書ですら一つの意見・見方に過ぎないのであるから、今後また違った意見が出れば、またその時にその時代の歴史として語られていくに過ぎない。この事を頭に置きながら読み進めていくと、非常に勉強になるのは間違いない。 また一つ長生きの楽しみを見つけられる本である。
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裏話30話。「乃木希典は戦下手の将軍ではなかった」が興味深かったが、無理やり定説に反論するもののどっちでもいいのでは、というのも結構あったように思う。「三代史研究会」でなく、著者名を明らかにした方が嘘っぽくなくて良いのでは。12.2.16
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