商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 国書刊行会 |
発売年月日 | 1997/10/15 |
JAN | 9784336040015 |
- 書籍
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架空の町
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架空の町
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本屋さんの隅で目にした学生時代から早十数年、ついに書物の王国シリーズを手に取ることが叶いました。 ”架空の町”というテーマで最初に収録されているのが、陶淵明の「武陵桃林」なのが秀逸。桃花源記と言った方が聞こえが良いだろうか。 桃源郷伝説のものがたりで書物の王国の扉が開き、我々はこ...
本屋さんの隅で目にした学生時代から早十数年、ついに書物の王国シリーズを手に取ることが叶いました。 ”架空の町”というテーマで最初に収録されているのが、陶淵明の「武陵桃林」なのが秀逸。桃花源記と言った方が聞こえが良いだろうか。 桃源郷伝説のものがたりで書物の王国の扉が開き、我々はこの世との国境をまたぐ。いざ、始まりはじまり。 マルセル・シュオッブの「眠れる都市」はさすがの気味の悪さ。 海賊の冒険譚がこうもディストピア小説になるとは…。 奇怪な挿絵があまりにも有名なジョン・マンデヴィルの「東方旅行記」から、かの有名でひと際ファンタジックで奇妙な異形の人々を描写した「ドゥンデヤ諸島」のエピソードも収録。 改めて読むと、あまりに奇想に眩暈を起こしそうになる。 アンリ・ミショーの「アク族の国にて」 あまりにも荒唐無稽、なのに、もしそうなら…とぞっとする。 暴力と刑罰と狂乱に満ちた国を垣間見る旅行者の恐ろしさよ。 思い起こせば、皆川博子も「絵小説」でミショーを引用していたっけ。 やはり違う異世界の国を見ている才人がたどりつく場所は同じようだ。 架空の町といえばやはり。 H・P・ラヴクラフトの「サルナスをみまった災厄」。 「サルナスの滅亡」のタイトルの方が著名か。 旧支配者・水蜥蜴神ボクルグを崇拝した太古の異形の知的生物たち。 その容貌はさながら両生類で、緑色の体色をし、目は膨れ上がり、声も出さない。 時代は移り変わり、その地へと足を踏み入れた人類に彼らは駆逐され……。 クトゥルフ神話初心者でも夢中になる、おぞましくも魅惑的な異形神話の幕開け。 中井英夫「街の中にタイムトンネルを見つけた」。 なんでナチュラルにエッセイ風掌編が入っているのか…?? そうだね、中井英夫だからね。 掉尾を飾るのはプリニウスの「博物誌」地理の巻より、「幸福の島」の引用。 数々の美しく豊かな自然の島々の描写。 その後、最後の一行で突き放される書き口に背筋を凍らされる。 東雅夫氏の編集の妙…。
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ラブクラフトが入っているので読む。 「サルナスをみまった災厄(さいやく)」 これがまたよかった。ムナールという土地の湖沿いにある邑々の繁栄と崩壊。どこか西アジアの乾燥地帯の平原かなと想像した。最初の邑イブは”みるもいやらしい生物”が住む石造りの邑で、水蜥蜴ボクラグをかたどった緑...
ラブクラフトが入っているので読む。 「サルナスをみまった災厄(さいやく)」 これがまたよかった。ムナールという土地の湖沿いにある邑々の繁栄と崩壊。どこか西アジアの乾燥地帯の平原かなと想像した。最初の邑イブは”みるもいやらしい生物”が住む石造りの邑で、水蜥蜴ボクラグをかたどった緑色の石造があった。のち人類がやってきてサルナス邑を滅ぼし、サルナスは繁栄と享楽の時を貪る。だがイブ陥落1000年祭のさなか、サルナスはあとかたもなく消滅し、あたり一体は湿原と化し、ただ緑色の蜥蜴が這いまわるだけとなり、ただ水大トカゲボクラグをかたどった緑色の石造があるのみとなった。 ・サルナスをみまった災厄(さいやく)(The Doom that Came to Sarnath 1920発表 同人誌「ザ・スコット」44号) 1997.10.15発行 図書館
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「ここではない、どこか」を熾烈に思い描くことから、なべての神話伝説や幻想譚は幕を開ける。ユートピア、隠れ里、異界…架空の町をテーマにした、古今東西の物語を集めたアンソロジー。
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