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ロボットの魂 創元SF文庫
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ロボットの魂 創元SF文庫

バリントン・J.ベイリー【著】, 大森望【訳】

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ロボットの魂 創元SF文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社/
発売年月日 1993/09/27
JAN 9784488697044

ロボットの魂

¥990

商品レビュー

4.5

4件のお客様レビュー

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2010/05/28

主人公のロボットは自…

主人公のロボットは自分に意識があると自覚している。しかし、ロボットには意識を持つことが不可能なことが証明されている。では、その自覚している意識は何なのか?この矛盾を出発点として物語が進んでいきます。ストーリー自体は悪漢小説のノリで、主人公は人は殺すわ、国を乗っ取るわの悪行を繰り返...

主人公のロボットは自分に意識があると自覚している。しかし、ロボットには意識を持つことが不可能なことが証明されている。では、その自覚している意識は何なのか?この矛盾を出発点として物語が進んでいきます。ストーリー自体は悪漢小説のノリで、主人公は人は殺すわ、国を乗っ取るわの悪行を繰り返します。ちょっとご都合主義的な面はあるのですが、読んで面白い作品です。

文庫OFF

2022/07/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

風情のない現在のAIとは異なる『意識』を求めてロボットが犯罪・裏切り・復讐・逃走を人間っぽく繰返す ベイリーらしい世界が堪能できる ダークマターっぽい仮想物体・ネットワーク・強い帝国内部で進行する社会の破綻が現実社会に現れているような

Posted by ブクログ

2016/02/09

 キリスト教の影響だろうが、西洋人にとって魂はとても重要みたい。  『ロボットの魂』という本書は、高性能なロボット、ジャスペロダスがほとんど人間と同じように思考しながらも、人造物である自分には意識がないのではないか、意識があるように思ってもそれは単なる模倣ではないのかという問いに...

 キリスト教の影響だろうが、西洋人にとって魂はとても重要みたい。  『ロボットの魂』という本書は、高性能なロボット、ジャスペロダスがほとんど人間と同じように思考しながらも、人造物である自分には意識がないのではないか、意識があるように思ってもそれは単なる模倣ではないのかという問いに苛まれ続けるという物語である。「ロボットに意識があるか」がテーマであるのだが、タイトルは「ロボットの魂」、意識=魂ではないのだが、これは終盤でのアイディアと関わっている。  最近のSFでは、機械知性の意識問題はクリアされてしまっているようだ。グレッグ・イーガンやロバート・J・ソウヤー、あるいはリチャード・モーガンは人間の意識をコンピュータ上にアップロードするというアイディアをもう当たり前のように使っている。アップロードされた意識は生体上を「走る」意識と等価である。ところがそんなソウヤーでも『ターミナル・エクスペリメント』で、人間の意識をシミュレートする実験中に、魂を発見するというアイディアを用いたりするのである。そういえば、アメリカ大陸を「発見」したのち、キリスト教牧師たちは、アメリカ先住民に魂があるか真剣に議論したらしい。魂がなければ布教は無駄だからである。  さて、ジャスペロダスの活躍する世界は、高度に発展したテクノロジー文明が崩壊して数百年後、政治体制的には封建君主が群雄割拠しているのに、ロボットをはじめとして、飛行機やロケット、原子力発電などのテクノロジーの残存している奇妙な社会である。ジャスペロダスがその知性を生かして行うことは結局のところ政治活動、権力抗争である。地方君主の地位を簒奪するも逆襲に遭い、王国を投げ出して、大帝国へと向かう。それは、まるでマイノリティ出身の主人公の成功と破滅の物語のようで、手に汗握る面白さである。ところがジャスペロダスは成功を手にしながらも、自分には意識がないのではないかという哲学的問題に、終始、帰ってくるのである。  さすがにジャスペロダスは西洋人である。彼が日本人だったらこんなに悩まなかったんじゃなかろうか。モノや道具に意識が宿って妖怪になったりする国なんだから。

Posted by ブクログ

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