佐藤春夫 ちくま日本文学全集013

佐藤春夫【著】

• 内容紹介: 内容:蝗の大旅行.西班牙犬の家.李太白.お絹とその兄弟.美しき町.F・O・U.のんしゃらん記録.別れざる妻に与うる書.神絃記. 殉情詩集.我が一九二二年 より 秋刀魚の歌 ほか.佐藤春夫詩集(補遺) より 背徳歌 ほか. 車塵集(抄) 年譜:p462～476
• 販売会社／発売会社: 筑摩書房/
• 発売年月日: 1991/08/20
• JAN: 9784480102133

商品レビュー

2010/05/28

幻想・耽美的な佐藤春…

[文庫ＯＦＦ]

幻想・耽美的な佐藤春夫の短編が多数楽しめます。

2017/02/09

気になったもの。

「西班牙犬の家」
不思議さが心地良かった。こんなちょっとした冒険をしてみたい。勝手に知らない人の家に入って行ってしまう図々しさに笑う。
犬と主人公がかわいい。

「美しき町」
老建築技師Ｔさんの人生が、結果として素晴らしいものになったことが心に残った。世間的に何かを成し遂げられなくても、夢を追い続ける人生は価値があると思えた。
共に計画を進めていく中で生まれた友情もすてき。

「のんしゃらん記録」
SF。人間社会への風刺？こんな世の中であれば生きてても仕方ないと感じる。
自身が薔薇になって、最後好いた女は死に、自分も落ちていく…というのがやるせないけど美しいかんじ。

2012/04/06

『のんしゃらん記録』

どん底の生活をしている人間に
「植物になってみませんか？痛みも飢餓もないですよ。」
なんて話しを持ちかけられたら…。
いざ植物になってみたら…。
感情を持ちながらだったら…。
水を与えてくれなかったら…。

恋をしてしまったら…。

そういえば数年前まで庭に薔薇を植えていました。今はもうありません。父が根本を切ってしまったのです。もしあれが植物になった人間№1928なら庭には下半身が埋まってるわけで…。植物は大切に。