- 新品
- 書籍
- 書籍
村上春樹全作品 1979~1989(8) 短篇集Ⅲ
2,970円
獲得ポイント27P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | 内容:パン屋再襲撃.パン屋襲撃.象の消滅.ハイネケン・ビ-ルの空き缶を踏む象についての短文.ファミリ-・アフェア.双子と沈んだ大陸.ロ-マ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラ-のポ-ランド侵入・そして強風世界.ねじまき鳥と火曜日の女たち.眠り.トニ-滝谷.人喰い猫//付属品~別刷オリジナルエッセイ「自作を語る」付//付属品~別刷オリジナルエッセイ付 |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1991/07/22 |
JAN | 9784061879386 |
- 書籍
- 書籍
村上春樹全作品 1979~1989(8)
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
村上春樹全作品 1979~1989(8)
¥2,970
在庫なし
商品レビュー
4
11件のお客様レビュー
ファミリー・アフェアは春樹さんの作品にしては珍しく怠惰的で強欲な主人公が印象的。欧米風な冗談が増し増しなあたり、海外生活から影響を受けたのかしら。 ローマ帝国の崩壊と〜は、読み終わった時に思わずにやけてしまうし、最初のページにタイムスリップしましたね。世の中には詐欺レベルの...
ファミリー・アフェアは春樹さんの作品にしては珍しく怠惰的で強欲な主人公が印象的。欧米風な冗談が増し増しなあたり、海外生活から影響を受けたのかしら。 ローマ帝国の崩壊と〜は、読み終わった時に思わずにやけてしまうし、最初のページにタイムスリップしましたね。世の中には詐欺レベルの誇張があったりするけれど、こういう話の盛り方なら、むしろ積極的にしてください。
Posted by
パン屋再襲撃 僕と妻は中古のトヨタ・カローラに乗って、午前2時半の東京の街を、パン屋の姿を求めて彷徨った。 「あのマクドナルドをやることにするわ」と妻は言った。まるで夕食のおかずを告げるときのようなあっさりとしたしゃべり方だった。「マクドナルドはパン屋じゃない」と僕は指摘した。...
パン屋再襲撃 僕と妻は中古のトヨタ・カローラに乗って、午前2時半の東京の街を、パン屋の姿を求めて彷徨った。 「あのマクドナルドをやることにするわ」と妻は言った。まるで夕食のおかずを告げるときのようなあっさりとしたしゃべり方だった。「マクドナルドはパン屋じゃない」と僕は指摘した。 パン屋襲撃 とにかく我々は腹を減らせていた。 象の消滅 僕が彼女に出会ったのは9月も終わりに近づいた頃だった。その日は朝から晩まで雨が降りつづいていた。その季節によく降るような細くてやわらかで単調な雨だった。そんな雨が地表に焼きついた夏の記憶を少しずつ洗い流していくのだ。全ての記憶は溝を伝って下水道や川へと流れこみ、暗く深い海へと運ばれていく。 ハイネケン・ビールの空き缶を踏む象についての短文 ファミリー・アフェア 「でも、結婚するのって、なんだか怖いですね」 「良い面だけを見て、良いことだけを考えるようにすれば、何も怖くないよ。悪いことが起きたら、その時点でまた考えればいいさ」 双子と沈んだ大陸 「何を見てるの?」と口紅をティッシュ・ペーパーで整えながら、彼女は鏡に向かって訊いた。 「脚」と僕は言った。 「気に入った?」 「悪くないよ」と僕は正直に答えた。 彼女はにっこり笑って口紅をバッグに戻し、洗面所を出てドアを閉めた。そして白いブラウスの上に、淡いブルーのカーディガンを羽織った。カーディガンはまるで雲のきれはしのようにふわりとして軽そうだった。 ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界 風が吹きはじめたことに気づいたのは日曜日の午後のことだった。正確にいうと午後2時7分である。 そのとき僕はいつものように-つまりいつも日曜日の午後にそうするように-台所テーブルの前に座って害のない音楽を聴きながら一週間分の日記をつけていた。僕は毎日の出来事を簡単にメモしておいて、日曜日にそれをきちんとした文章にまとめることにしているのだ。 ねじまき鳥と火曜日の女たち 近所の木立からまるでねじでも巻くようなギイイイッという規則的な鳥の声が聞こえた。我々はそれを「ねじまき鳥」と呼んでいた。 眠り 眠れなくなってもう十七日目になる。 トニー滝谷 人喰い猫 僕とイズミは小さなギリシャの島で、キッチンつきの小さな貸間を借りて暮らしていた。 ねえ何処かに行ってお酒でも飲もうよ、とイズミは言った。僕らは渋谷に出て、朝までやっているバーでずっと酒を飲んだ。僕はウォッカ・ギムレットを飲み、彼女はダイキリを飲んだ。数えきれないくらい飲んだ。でもその夜は、僕らはあまりしゃべらなかった。夜が明けると、僕らは酔い覚ましに原宿まで歩いて、ロイヤルホストでコーヒーを飲み、朝食を食べた。そこでイズミがギリシャに行こうと言い出したのだ。
Posted by
全作品集の各巻に付いている、「自作を語る」で村上さんは言っているのだけど、この人の短編には「次の長編の胎動的な部分がある」らしい。そう言われると、「ねじまき鳥と火曜日の女たち」は「ねじまき鳥クロニクル」、「人喰い猫」は「スプートニクの恋人」のアルファ版という感じで興味深い。個人的...
全作品集の各巻に付いている、「自作を語る」で村上さんは言っているのだけど、この人の短編には「次の長編の胎動的な部分がある」らしい。そう言われると、「ねじまき鳥と火曜日の女たち」は「ねじまき鳥クロニクル」、「人喰い猫」は「スプートニクの恋人」のアルファ版という感じで興味深い。個人的には、「トニー滝谷」と「人喰い猫」が好き。だいぶ前に読んだ再読なんだけど。
Posted by