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ジールス国脱出記
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ジールス国脱出記

水木楊(著者)

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ジールス国脱出記

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/
発売年月日 1990/01/25
JAN 9784103663034

ジールス国脱出記

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2012/03/08

フト、帯のスウィフトの文字に惹かれて読み始めてしまった ダリを思わせる表紙にもそそられたかも知れない 文明国とか民主主義と自称する裏に隠されているはずの 未熟な精神構造の人間模様が 切羽詰まったために表面化している様を描いている 徹底した利己主義がもたらす嘘のもとに...

フト、帯のスウィフトの文字に惹かれて読み始めてしまった ダリを思わせる表紙にもそそられたかも知れない 文明国とか民主主義と自称する裏に隠されているはずの 未熟な精神構造の人間模様が 切羽詰まったために表面化している様を描いている 徹底した利己主義がもたらす嘘のもとに 合理主義と効率主義と営利主義を後ろ盾とする自由と平等と平和 たらい回しにされる責任転嫁と 手を汚さない詐欺横領で裏打ちされた豊かさに潜む偽り 物語は新聞記者が秘密主義の超大国を取材中に起こった命がけの冒険談である 最先端の技術と自給自足を成し得た抜き出たGNPを誇る国で感じたことは 満足感のない焦りと羨望と競いに明け暮れる民衆 そこに偽りを嗅ぎ分けながらもキーワードをつかめずにいらだつ主人公 やがてそのキーワードが「嫉妬」だと見破る 市民同士の嫉妬し合ううねりが国中に充満して 人民の人民による人民のための国造りが 幸福とは裏腹に傷付いている 社会に個人が守られようとする依存度が高いほど その副作用は激しくなる 社会は神と成り得ずして 個人が個人のために個人によって支えて利用するものでしかない そこに共生のメリットを見出せるだけの精神があってこそ 社会が有効に機能する

Posted by ブクログ

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