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物語をものがたる 河合隼雄対談集
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物語をものがたる 河合隼雄対談集

河合隼雄(著者)

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物語をものがたる 河合隼雄対談集

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館
発売年月日 1994/01/22
JAN 9784093871020

物語をものがたる

¥2,669

商品レビュー

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2024/02/08

《目次》 「とりかえばや物語」 内なる異性の発見 桑原博史 「竹取物語」 美は人を殺す 中西進 「能の物語・弱法師」 翁からの変奏曲 白洲正子 「日本零異記」 自在に往還する魂 山折哲雄 「寝覚物語」 永遠の美少女の苦悩 永井和子 「堤中納言物語」 読者がつくるファンタジー 稲賀...

《目次》 「とりかえばや物語」 内なる異性の発見 桑原博史 「竹取物語」 美は人を殺す 中西進 「能の物語・弱法師」 翁からの変奏曲 白洲正子 「日本零異記」 自在に往還する魂 山折哲雄 「寝覚物語」 永遠の美少女の苦悩 永井和子 「堤中納言物語」 読者がつくるファンタジー 稲賀敬二 「とはずがたり」 キャリア・ウーマンの自己主張 富岡多恵子 「小栗判官」 絶望の果ての救い 梅原猛 「落窪物語」 女になるための試練 古橋信孝 「宇治拾遺物語」 滑稽話のおもちゃ箱 小峯和明

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2023/08/27

p33 昔よくいわれたことですが、催眠をかけますね。「あなたはいまから十時になったら催眠が覚めて、10時が鳴ったら傘を広げますよ」と、暗示を与えておきます。ただし「私が暗示をあたえたことも全部忘れてしまいます」とそう言っておく。そうすると、その人は覚醒してふつうにやっているのに、...

p33 昔よくいわれたことですが、催眠をかけますね。「あなたはいまから十時になったら催眠が覚めて、10時が鳴ったら傘を広げますよ」と、暗示を与えておきます。ただし「私が暗示をあたえたことも全部忘れてしまいます」とそう言っておく。そうすると、その人は覚醒してふつうにやっているのに、10時になったらパッと傘を広げます。そのときに「どうしてあなたは傘を広げたのですか」と聞くと、「いや、よい天気になってきたので干そうかと思って」とか、つまり、自分で非常に都合のいいことをピタッというのです。つじつまもあっているわけです。ところがほんとうは非常に深いところで暗示をあたえられている。だから、われわれが生きていくうえでさまざまなことをするわけですが、非常に深いものが私たちを突き動かしているのです。 p63 『源氏』のなかでかぐや姫が出てくるのはここだけです。それはつまり異界のものだという意味において、浮舟とかぐや姫が重なるのですが、浮舟という人間も結婚を拒否する女です。 p64 『万葉』のなかに、竹取の翁の歌というのがあります。 p68 浦島もそうでしょう。もともとは「助けた亀につれられて」というようなことはぜんぜんないのでね。「助けた亀につれられて」というのは、仏教の報恩譚が入ってきたからでしょう。 p69 要するに言葉のエティモロジー(語源)ですね。昔、「強語り」シイガタリ(こじつけ物語)というのがあったのです。 p75 『竹取』のように尊重されて完成度の高い物語が平安の初期にあったということは、世界的にみてもめずらしい。 p130 『源氏物語』には、物の怪(け)に崇(たた)られたり、とり殺されたりする話がものすごく多い。『源氏物語』文学の世界というのは、「もののあはれ」と「もののけ」という二元的世界になっている。その場合に憑(よりつ)くものというのは、ちゃんと崇る理由があって崇っている。そして崇られた人間と崇る人間の両方の世界が等分に出てくる。どうも、その源流はやはり『霊異記』の狂う説話のなかにあるように思います。 p141 いまの人たちはコンピューターなんていうものは、自分たちをからめとるほうにまわっていることがわかっているわけだから、それを完全にちがうほうに突き破ろうと思うと、より科学を進歩させて突き破るのではなくて、もういつぺん下へおりていかなければならない。そうすると『霊異記』的世界に注目するのですね。ところが下手するとオカルトなんかになってしまう。 p250 富岡:河合さんは、いままでいろんな物語をお読みになって、やはり『とはずがたり』は、ほかの物語とかなりちがいますか。河合:そうですね、『とはずがたり』はいちばん難解だと思いました。

Posted by ブクログ

2018/08/07

日本の物語を、その専門家と河合隼雄さんが語る対談集。恥かしながらどの作品もちゃんと読んでなかったんだけど、巻末にあらすじが掲載されてるので、それをガイドに読み進められます。河合隼雄さんの解釈は、これまでの著作を読んでる身としてはわかりやすく、専門家の視点がむしろ興味深い。視点とい...

日本の物語を、その専門家と河合隼雄さんが語る対談集。恥かしながらどの作品もちゃんと読んでなかったんだけど、巻末にあらすじが掲載されてるので、それをガイドに読み進められます。河合隼雄さんの解釈は、これまでの著作を読んでる身としてはわかりやすく、専門家の視点がむしろ興味深い。視点というか、研究手法。なるほど、そういうところが論点として取り上げられ、文献の裏付けをとっていくのね、という。昔話、ものがたり、小説、というものの、個人との距離感も面白い。より抽象から具体へ、普遍から、個へ、というところでしょうか。須賀敦子さんがいう「ものがたり」と「小説」とはまた違う観点だけど、これはこれで納得。いずれも、ものがたりの方が、表面ではなく、内面の深い部分にもぐっている、という感じでした。 しかし、日本の古典をちゃんと読んでみないといけないなあ。。。果たして面白いと感じる感性が備わっているのか。

Posted by ブクログ

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