日本人の忘れもの 愛されない日比混血児たち

軍司貞則【著】

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋/
• 発売年月日: 1991/02/25
• JAN: 9784163449807

商品レビュー

2021/07/03

古い日比混血児のルポ。古いというのは日比混血児の存在が認知し始めた初期の頃の話だからだ。
2008年の婚外子国籍訴訟で出生後認知されても日本国籍が取得できるようになるずっと前の話

現在、相撲やプロ野球、女子ゴルフで活躍する幸福な日比混血児しか知らなかった
あるいはジャパ行きさんになって身ごもってフィリピンに戻り仕送りを受けて育った子供たち
この認識以外に買春ツアーで生まれた子がフィリピンで多くいることを知った。
何がなんだかわからない悲惨な話がたくさん出てくる

ヤクザ、日本のポリス、現地の男たち、人身売買を想起させるエピソードがぽんぽん出てくる
アメリカに人身売買になっているからジャパユキさん受け入れを止めろと言われるまで
日本という国は自浄機能が働かなかったのだ。

うんざりするようなエピソードがわんさと出てくる。30年後の読者が目にしてきたのは美談になった日比混血児なのだ。

話が長い。延々とイザベルという女を探す物語のようだ。現在の視点から読んでいると知りたいのそこじゃなくて～せつせつと父親を捜す物語なのだ。

返す返すも米国様のおかげで人身売買がなくなってよかったわい。