商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論社/ |
発売年月日 | 1989/05/10 |
JAN | 9784122016156 |
- 書籍
- 文庫
映画館がはねて
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映画館がはねて
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4.5
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『父は寅さんが好きだったと思い出した』 あらすじには爽やかなエッセイと書いてあったが自分はそうは思わなかった。たくさんの人との出会いの中で、戦時から現代にかけての社会の変化について書かれている。そして時には日本人に沁みついた差別的な考え方や人間のさもしさを厳しく指摘していて、ま...
『父は寅さんが好きだったと思い出した』 あらすじには爽やかなエッセイと書いてあったが自分はそうは思わなかった。たくさんの人との出会いの中で、戦時から現代にかけての社会の変化について書かれている。そして時には日本人に沁みついた差別的な考え方や人間のさもしさを厳しく指摘していて、まだバーコードもない時代の本だが、現代社会への風刺のようだと感じた。 作中では文章を書くのが苦手だと書いてあったが、美しい言葉遣い、まるで情景が目に浮かぶような表現力、無駄のない読みやすい文体。全てが完璧で理想的だった。こんな文章が書けるようになりたいと心から思う。 最後に山田洋二監督が今も映画を作り続けていることに驚いた。仕事とはいくつになってもできるのだと勇気をもらう。大人になった今だからこそ、男はつらいよを見たいとそう思った。
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映画監督・山田洋次氏(1931~) の温かい人柄にほだされながら読み耽った全78篇のエッセイ。満州での思春期時代と敗戦による引き揚げ後の記憶、松竹大船撮影所での修行時代に野村芳太郎監督や脚本家・橋本忍氏に師事し鍛えられたこと、「寅さん」と共に想うこと、夕張と「幸福の黄色いハンカチ...
映画監督・山田洋次氏(1931~) の温かい人柄にほだされながら読み耽った全78篇のエッセイ。満州での思春期時代と敗戦による引き揚げ後の記憶、松竹大船撮影所での修行時代に野村芳太郎監督や脚本家・橋本忍氏に師事し鍛えられたこと、「寅さん」と共に想うこと、夕張と「幸福の黄色いハンカチ」の想い出、山田組スタッフ一丸の映画づくりなど、映画ファンならずとも山田洋次監督の人間的魅力に引き寄せられます。
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「泥棒が逃げる、おい待てドロボー、と追いかける、 追いつ追われつふたりは走り続けるが、 とうとう泥棒が息が切れてとっ捕まり、組み伏せられてしまう。 通りすがりの人が駆けよって、おい大丈夫かと声をかける、組み伏せた方がハアハア言いながら、すまねえ水を一杯くれ、と答えると その下で泥...
「泥棒が逃げる、おい待てドロボー、と追いかける、 追いつ追われつふたりは走り続けるが、 とうとう泥棒が息が切れてとっ捕まり、組み伏せられてしまう。 通りすがりの人が駆けよって、おい大丈夫かと声をかける、組み伏せた方がハアハア言いながら、すまねえ水を一杯くれ、と答えると その下で泥棒もフウフウ言いながら、すみません、私にも一杯ーこれが落語というもんです」 当事者にとっては深刻であったり悲壮であったりしても、第三者の目から見ると妙におかしい、 ということがよくある。笑っちゃ悪いと知りながらどうしても笑ってしまう、という場面である。」 (山田洋次「映画館(こや)がはねて」(中公文庫) 以上の文章は映画監督の山田洋次氏が人間国宝にもなった落語家の柳屋小さん師匠にうかがった話だそうそうです。 山田監督は若いころ小さん師匠の新作落語の台本を書いていたそうです。 おまけにもう一つ。 ノルウェーの王様の話です。 国王オラフ5世は家から王宮に出勤するのに 助手席の侍従を乗せマイカーで自分で運転してゆくそうです。 「ある時、オスロ市内の街を走る電車が、軌道上でエンコしている車を見つけて急停車した。 運転手から窓をあけて口汚くののしると、車の中から老紳士出てきて、 帽子を取って上品に頭を下げたのだが、 それを見ていた乗客たちが慌てて運転手に声をかけたそうでである。『おい、勘弁してやれよ、あれ王様だぜ』」 (山田洋次「映画館(こや)がはねて」(中公文庫)
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