東京Babylon(文庫版)(5) A save for Tokyo city story ウィングスC文庫

CLAMP(著者)

• 販売会社／発売会社: 新書館
• 発売年月日: 2001/01/01
• JAN: 9784403500305

商品レビュー

2022/08/12

個人的に切っても切れない関係だと思っている(？) CCさくらはアニメで履修済みで、ほかのCLANP作品を漫画で読んでみたいと思っていた矢先、アニメ化で話題になったこちらを読んだ。

これ多感な時期に読んでたら確実に厨二なってた、、
CLAMPの絵の圧倒的な美しさに溜息が出るとともに漫画の描き方、空間のつくり方に感心した。
北斗ちゃんの団地妻♡コーデも昴流の衣装も楽しみポイント。本当に毎度毎度かわいくて。というか表紙(全7冊のもの)がおしゃれすぎる。原色カラーに昴流1人、背景にびっしりと文字。店頭並んでたら否応なく買ってる。
東京babylonといえばビビッドカラーが印象的。1990年代バブルのクラクラするほどの眩さ、その奥に潜む息苦しさを表現しているなぁと思う。内容も然り。
3人の物語とともに社会問題に焦点が当てられており、はっとする言葉で色々考えさせられる。

物語はびっくりするぐらい最悪な方向に向かう。
叩きのめされた。CLAMP、読者の息の根止めてくるよ…。
星史郎さんの、思ってもいないことをいけしゃあしゃあと喋る様子や昴流へ残忍な言葉を投げかけるところで結構本を閉じかけたんだけど肩幅に免じて許す。

双子設定なのもすっごい良かった。
他人の心の機微に聡く己の心の機微に疎い昴流。
昴流が自分のことにとんと無頓着だから、ぼろぼろになってしまわないように隣でずっと支えてた北都ちゃん。
良かれと思ったことが裏目に出てしまうのもこの作品の特性であり、現実味を帯びる。
昴流が修羅の道から一生抜け出せないと思うと辛い。

──悪いことする人はみんな『寂しい』のかもしれないね──

2020/03/02

伝説の5巻（最終巻）。
昴流、北都、星史郎という「歪な」トリオの物語はここに終幕を迎える。この物語のたどり着いた先は、救いのない残酷な真実だけである。
しかし、よく考えれば1巻からずっと救いはなかったとも言える。
あなたが「わたし」で、わたしが「あなた」だと感じてしまうことの傲慢と悲劇。「わたし」と「あなた」は違うんだという当たり前の認識からぼくたちは出発しなくてはならない。
昴流や北都の優しさを胸に抱いて。

2017/10/05

今更だけど、今読んでも色褪せない漫画ってあるんだね。

一気に読了。再読満喫中。
ラストが意味深なんだよね、今読んでも気になる(笑)。X読んでたけど、あれって完結したんだっけ？

私的に、文庫版の解説が結構好きで(的を得ていて)、この５巻の解説をしている篠原一がまさに自分の心境を語っているようで嬉しかったことを覚えている。
投げ掛ける言葉が、今に通じるっているのは、人間大して成長してないってことなのか。