マカロニほうれん荘(6) チャンピオンC

鴨川つばめ(著者)

• 販売会社／発売会社: 秋田書店
• 発売年月日: 1995/01/01
• JAN: 9784253035088

商品レビュー

2024/06/10

紙面の賑やかさ・ハチャメチャさ極まれり、といった感じの巻。ポップとクレイジーが遺憾無く表現され、描き込みもかなり細かく入っており作品が全盛期を迎えた感じがする。

更にそうじをめぐる恋がもつれ合ってよれ合って、トラブルに巻き込まれつつ弘美ちゃんとの仲を深めていく様子が描かれもする甘酸っぱい面を持っている。それだけでなく、そうじへの恋が実らない敦子・麻美姉妹も気持ちに一区切りつける描写があったりとラブにも溢れており、若さ輝く少年漫画。

天然で不思議ちゃんとして描かれるルミちゃんがそうじに対する反省を表して髪を切る回《愛と微笑の世界！！》はルミちゃんときんどーさん、ついでにマンモス稲子がメインで絡む珍しい回。こういう、普段はあまりまともな会話をしないキャラクターが交流してると面白いですね。歳が離れているが為に実らない恋に悩む少女の余韻が静かな良回。

わたしの推しキャラ・ススキ小次郎がかおりへの恋に想いを焦がすあまりに人間大砲でほうれん荘へ駆けつける《愛のメモリー！！》は扉絵の素晴らしさも相まった、くだらな楽しい回。始まって４コマで笑わせてくるキレよ。小次郎の相棒・ラッシーはこれが初登場？

《45口径の枯れ葉！！》はきんどー・トシ・そうじ・かおりという、ほうれん荘の大家と店子で美術館へ出掛けて軽妙な会話劇を展開する、原点回帰の神回。ラスト、大きな月を背負った黒基調のシックな大コマが本当に素敵。「きんどーさん　今日は有意義な一日でしたね」「あたし　すっかり目がこえたわよ」(p215)というトシときんどーさんのやりとりは密かな名台詞な気がする。

満足の一冊。

46刷
2024.6.10

2023/09/08

収録作品「愛と微笑の世界!!」の１コマ目できんどーさんがこっちを見て「しばらくぶりだったわね。元気?」と言っているが、これは何かのギャグではなく、休載していたからだそうな。
そいえば短くなった気がするし、オチも弱くなった気がするが、絵が丁寧になった気もする。（個人の意見です）
というわけで、
本巻の【トシちゃん25歳】
ひとからはこーゆー男といわれながらもどーゆー男か自分でもわからずにそーゆーことで毎日悩みつづける悲しい男
生まれてすでに25年生きているにもかかわらず18歳未満おことわりといわれこれも因果とあきらめた男

本巻の【きんどーちゃん】
「乙女のおちつき」
目的のためなら手段を選ばない乙女
笑顔の乙女

2021/05/09

作者のギャグは絶好調！　「エーテルの渇き!!」のきんどーさんの下痢騒動や、「水の中の太陽!!」の杉野兵曹長・広瀬中佐パロディが印象深い。「愛のカクテルコーヒー!!」は珍しく2話連続の完結編。ギャグに加えて、中嶋姉妹とそうじの確執を描く。ほうれん荘初期とは違うストーリー性を感じる巻だった。