商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 1988/06/01 |
JAN | 9784480022370 |
- コミック
- 筑摩書房
悪魔くん千年王国(全)(文庫版)
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悪魔くん千年王国(全)(文庫版)
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商品レビュー
4.1
17件のお客様レビュー
テレビシリーズの勧善懲悪ものではなく理想郷を作る為に革命を起こす物語 ゲ謎をきっかけに過去の水木アニメや漫画を読みはじめた訳だが、この作品はネットでの評判の高さから以前から気にはなっていた 今回はじめて読み進めたが、思っていたよりも革命をテーマにした重厚感は薄く昭和的な緩い感じに...
テレビシリーズの勧善懲悪ものではなく理想郷を作る為に革命を起こす物語 ゲ謎をきっかけに過去の水木アニメや漫画を読みはじめた訳だが、この作品はネットでの評判の高さから以前から気にはなっていた 今回はじめて読み進めたが、思っていたよりも革命をテーマにした重厚感は薄く昭和的な緩い感じに受け取れたのは少し拍子抜けした 明らかに詐欺っぽい商法なのにだまされる一郎父ちゃんは経営者としてどうよ?と思いもしたがそれも時代故の緩さなのか? 確かに物語としては面白い事は否定しないが、気高き理想を持ち革命を起こした先のほとんど末路が全体主義の社会主義国家であると思えばそのメッセージ性は若干色褪せた題材なのかも?と思ったりもする やはりどんなに不景気になって物価が上がっても貨幣主義から別の価値に移行するのは中々難しい事だからね 社会情勢をよく知らなかった若い時に読んだら少し衝撃を受けたかも? また他の読者は悪魔くんは鬼畜だと評価してる人もチラホラいるが、ゲ謎の黒幕と比べたら大分マシに思えるからか余りそういった部分は気にならず読めた 自分の感覚が麻痺してるのかな?
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100分de名著「水木しげる」を読んで、手を出す気になった。子供の頃、テレビの実写版を夏休みの再放送でチラッとを見た記憶がある。エロエロエッサイムと呪文を説いたり、笛を吹いたらメフィストの頭から煙が出て、暑いとジタバタしているのは覚えているが、全体は覚えていない。 ウィキペディア...
100分de名著「水木しげる」を読んで、手を出す気になった。子供の頃、テレビの実写版を夏休みの再放送でチラッとを見た記憶がある。エロエロエッサイムと呪文を説いたり、笛を吹いたらメフィストの頭から煙が出て、暑いとジタバタしているのは覚えているが、全体は覚えていない。 ウィキペディアで調べると「ハリスの旋風」が裏番組とあるから、そちらを見てたんだろうな。 本書はそのメフィストは出てこない。貧困も争いもない千年の王国をつくるという意思に貫かれている。 水木さんの絵は上手いんだか、下手なんだか、よく判らない。ファウスト博士や八仙人とかも登場。NHK読本にも怪奇幻想に詳しいとあったな。 当時の売れ行きが悪く、途中で無理やり終了とのこと。しかし、描くべきものは描き切っているようにも感じる。 最後に。表紙の悪魔くんの顔は、本文の漫画の顔と違うんじゃない。
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- ネタバレ
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wikipediaによれば、 ・1963-1964 貸本版 悪魔くん……「松下一郎」版 ・1966-1967 少年マガジン版 悪魔くん……「山田真吾」版……テレビドラマの原作というかメディアミックス ・1970 少年ジャンプ版 悪魔くん復活千年王国……「松下一郎」版……貸本版のリメイク ・1987-1988 コミックBE! 悪魔くん世紀末対戦……「松下一郎」版……貸本版の続編 ・1988-1990 コミックボンボン版(最新版)悪魔くん……「埋れ木真吾」版……アニメ版と並行 ・1993-1994 ノストラダムス大予言……「山田真吾」版 ・救世主(メシヤ)悪魔くん……「松下一郎」版 ・戦うヒーロー悪魔くん……「山田真吾」版および「埋れ木真吾」版 ・「松下一郎」版……理想社会樹立を目指す、社会問題を扱う作風 小学2年生。精神的異能児。見た目は変。 ・「山田真吾」版……妖怪退治が主題。見た目はいい。 ・「埋れ木真吾」版……小学5年生。山田版の流れを汲む。実は2代目だと最終話で判明。 ということらしい。 自分が子供のころに見ていたアニメは主に「埋れ木真吾」版だったんだな。 またメシヤはシリアス、ヒーローはワクワクと考えることもできそう。 んで今回読んだ「千年王国」は少年ジャンプ版=「松下一郎」版。 2016年に同じちくま文庫で読んだのはおそらく少年マガジン版=「山田真吾」版。 断然今回のほうが前のめりになった。 いわば「ゲゲゲ」よりも「墓場」のほうがイイッというニュアンス。 けっこう陰鬱な筋書きで、画も重く垂れこめている。(たぶん、というかほぼ確実につげ義春が描いている……。) 大人の愚かさを、父親をはじめとするおじさんたちが代弁している。 カメラはかなり悪魔くんを離れて、大人たちに向く。 視点人物の佐藤が、第3使徒ヤモリビトを演じ、結局は悪魔にそそのかされて悪魔くんを売り、後悔する、イスカリオテのユダと同じ行動をとる。 思惑と裏切りと騙し合いと。 悪魔くん自身が革命なんだかクーデターなんだかスレスレのことをしているのだから、もう正義と悪という構図から逸れていく。 救世主を話の中で描くとき、必ずそばにいて疑義を呈する人物がいる……聖書もそうだし、ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」や大江健三郎「燃えあがる緑の木」もそうだし。 こりゃ相当深みのある話だ。
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