商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2005/04/22 |
JAN | 9784309204338 |
- 書籍
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信仰が人を殺すとき
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信仰が人を殺すとき
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モルモン原理主義者が起こした殺人事件を導入として、モルモン教の成り立ちや迫害の歴史などを網羅していく。知らなかったことがたくさん書いてあり驚きの連続。一夫多妻婚を重要な教義とするに至った経緯がほとんどギャグなのだが(唯一笑った部分)、都合のいい解釈に巻き込まれる少女たちの悲劇がお...
モルモン原理主義者が起こした殺人事件を導入として、モルモン教の成り立ちや迫害の歴史などを網羅していく。知らなかったことがたくさん書いてあり驚きの連続。一夫多妻婚を重要な教義とするに至った経緯がほとんどギャグなのだが(唯一笑った部分)、都合のいい解釈に巻き込まれる少女たちの悲劇がおぞましすぎて最後まで読めない人もいると思う。殺人事件の裁判場面では、宗教と政治が当たり前に共存するアメリカという国が抱えるジレンマや、信仰と精神疾患の違いについて考えさせられる。もうちょい事件について掘り下げて欲しかった気もする。
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1984年のモルモン教原理主義者が起こした殺人事件を詳しく追いながら、モルモン教の歴史とその暴力性を読み解き、信仰の本質に迫らんとした渾身の作。 モルモン教については、飲酒禁止とかコーヒー禁止、教義が厳しくてかなり変わった宗教だという程度の知識しかなかったが、読めば読むほど馬鹿...
1984年のモルモン教原理主義者が起こした殺人事件を詳しく追いながら、モルモン教の歴史とその暴力性を読み解き、信仰の本質に迫らんとした渾身の作。 モルモン教については、飲酒禁止とかコーヒー禁止、教義が厳しくてかなり変わった宗教だという程度の知識しかなかったが、読めば読むほど馬鹿げた信仰としか思えない。 常識をわきまえたはずの大人が、なぜこんな訳のわからない教義をいとも簡単に信じてしまうのか、全く理解できない。私が全くの無宗教者だからだろうか? 預言者の言動、信者の起こした事件、発想、行動、どれをとっても、自分勝手な男のエゴを押し通すだけの差別主義集団、妄想に取り憑かれ、自分たちの都合だけを最優先、意にそぐわない人物はためらわずに抹殺し、何食わぬ顔でその罪を他人に押し付けるたちの悪い暴力集団にしか見えない。ここで明らかにされた信徒たちの行動には、嫌悪以外感じられなかった。 その教義の性質から、小さな分派がいくつもあり、その一つにあくまでも教義を厳密に守ろうとする原理主義があるらしいが、ジョセフ・スミスがこの宗教を始めた時からかなり危うい集団だったことは否めない。 妄信することで周りが見えなくなり、判断を誤ってしまう怖さは誰にでもある。 だからといって、篤い信仰心をもって宗教にのめりこんでいる人が必ずとんでもない事件を起こすなどということでは決してなく、ごく一部の過激な信徒であることがほとんどだが、その境目というのはいったいなんなのだろう。本書ではナルシズムに走るかどうかの違いといったことも書かれているが、それですべての説明がつくというわけでもないだろう。 信仰と狂気が、ある意味紙一重であることは過去の様々な事件を見ても容易に想像がつくが、その紙一枚を乗り越えさせてしまうものはなんなのか、それがわからないから人々は宗教に助けを求めるのだろうか。 本書の中で、宗教について心に留まった文章がいくつかあったので下記にあげておく。 「敬虔な信者であることを公言している、どうやら正気と思われる男が、ほんのわずかなためらいも見せずに、罪のない女性と子どもをどうしてこんなに惨たらしく殺すことができたのだろうか?道義的な正当性は、どこからきているのか?(中略)心と頭脳の暗い領域(中略)が、われわれの多くに神への信仰をうながし、予想どおり、少数の熱狂的な人間たちを駆りたてて、分別に欠けるその信仰心を論理的に行きつくところまで突きすすませるのである。」 「人類が神を信じるようになってこの方、人々は神の名において非道なことをおこなってきた。過激な人間たちは、どの宗教の内部にも存在しているのである。」 「信仰にのめり込んでいる人間を動かしているのは、(中略)実際に本人が手にするのは、強迫観念そのものだろう。(中略)彼(あるいは彼女)はそれに打ち込みすぎるあまり、目的のためだけに生きることになる。」 「信仰は理性のまさに正反対のものであり、無分別が宗教的な献身のきわめて重要な構成要素である。過激な信仰が論理的な思考に取ってかわったら、たちまち自分の意見などなくなってしまうのだ。」 「ほんとうに、なにが起こっても。常識が神の声とぴったり符合することはないのである。」 「預言者の言われたとおりにすれば、その行動の全責任はすべて預言者にあるわけです。返済を拒否してもいいし、相手を殺したってかまわない。つまり、なにをしても、平気でいられるのです。多くの人々がくださなければならない重要な決定を自分でしなくてもすみますし、その決定にも責任がないのです(中略)だが、人生には、幸せよりも大事なことがあります。たとえば、自分で自由にものを考えることです」 余談。 マイケル・ギルモアの『心臓を貫かれて』に所々触れられているが、あれもモルモン教がらみだったか。死刑制度関連として記憶していたのだけれど、もう10年くらい前に読んだきりなので、あまりよく覚えていない(汗)。 そして、これ、読了にとっても時間がかかってしまった…。上下2段組みで450ページ超え…つらかったぁ。
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一夫多妻を固く守っているモルモン原理主義で実際起きた殺人事件を取り上げている。またモルモン教の始まりから一夫多妻の歴史についても詳しい。 教えに洗脳されてどんな罪深い暴力も正当化させられる。本当に恐ろしい。 このような原理主義だけでない、ブッシュ大統領は神の名のもと合衆国を無駄な戦争にかりたてた。 私はクリスチャンだが、人々を煽動し狂気にかりたてるのはおかしいと思う。
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