ポジオリ教授の事件簿

T.S.ストリブリング(著者), 倉阪鬼一郎(訳者)

• 販売会社／発売会社: 翔泳社
• 発売年月日: 1999/08/05
• JAN: 9784881357361

商品レビュー

2024/05/12

少々話が分かりづらくて難しいんだけど、それも心理学の先生の話すことなんだからしょうがない。
昔って、おいお前がやったんだろう田舎でお母さんも泣いてるぞ的に落とし込んでたりしたわけで、でも今やエビデンス至上主義だから本人がどう言ったかなんて関係ないくらいで、心理学者の推理なんてかなり使い勝手が悪いんだろうなぁ。
反面、今の時代は人情とかが薄れて結果的に再犯率が上がるのだということを言いたいのかもしれぬ。

2006/04/13

エラリークイーンも惚れ込んだというポジオリ教授の短篇集。些細な行動から多くを知る洞察力はホームズに近いところがありますが、ポジオリ教授の興味はあくまで心理学。具体的な証拠をあげて事件の真相を告発するよりも、あくまで自分の仮説をたてることに重点をおいてます。だから81番目の標石もああいうラストにできるんですね。この短篇では即物的な西洋思想と人間の精神の力の存在を唱えるアステカ文明の比較もされていて読み物としてもおもしろかったです。その他にも印象的だったのが警察の描写。窃盗はわりに合わない仕事だと思い知ら
せようとしたり、操作経費削減のためにポジオリ教授を呼んだりと大変個性的。風刺とユーモア、宗教や科学など幅広いスパイスを詰め込んだミステリでした。

2005/02/05

あいかわらず探偵役よりも犯人のほうが魅力的に思えるお話って感じでした。ロジカルのように見えてその実結構そうではないというのもいつもの通りだし、心理的探偵法がそれっぽく見えてそうでもないのも。ただその着地のさせ方が凄く上手で、読み終わって満足してしまう。いやー、他にもあったら読みたいな。