商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京書籍 |
発売年月日 | 1999/07/26 |
JAN | 9784487731497 |
- 書籍
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新・宮沢賢治語彙辞典
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新・宮沢賢治語彙辞典
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宮沢賢治作品で使われている難読語や造語など約5000項目を収録した語彙辞典。89年刊「宮沢賢治語彙辞典」に新たな項目を加え、写真・図版を挿入して編集した辞典。
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『新 宮沢賢治語彙辞典』 原子朗 (東京書籍) 総頁数1069ページ。 パッと見は大きさも形も広辞苑である。 でも中身は宮沢賢治100%のこの本は、私の蔵書の中でもひときわ異彩を放つ、超マニアックな一冊なのだ! 賢治作品は難解だと言われる。 日常の語法とは異質の奇妙な言い回し、硬い感じのする自然科学の専門用語の多用。そして岩手花巻弁。 例えば、「光素」という言葉を賢治は「エーテル」と読ませているのだが、普通は「光素」を「エーテル」とは読まない。 普通の辞書には「光素」と「エーテル」別々には載っているがそれぞれ意味が違うし、「光素」を「エーテル」と読むことに意味があるとするならば、それはもう辞書の範疇を超えている。 賢治世界を探索するには、ただ地面を歩いているだけではどうにも限界があるらしい。 さて、本書で「光素」を引いてみる。 「光素 こうそ 【天】 エーテル(aether)。賢治の宇宙観を支える最重要概念の一。賢治の使う「虚空」「真空」は、エーテル(または電子)の満ちた空間、すなわちエネルギーの伝播可能な空間である。(以下略)」 うーん…ほとんどわからんけど…(笑) 内容は、それはもうバラエティーに富んでいる。 「河本さん」「新渡辺弁護士」(←誰だよ!)などの人名もあれば、 「まんつ、おらあだりでば大谷地中でおれのこれぁとったもの無ぃがったます」 「ぢゃい、はきはきど返事せぢゃ」 「何でもいがべぢゃ。うなだ、いづれ何さでも何どがかんどが名つけで一まどめにして引っ括て置ぐ気だもな」 なんて方言もいっぱい。 「なまねこ」「べんべろ」「バンス!ガンス!アガンス!」 なんかも面白い。 数学科学用語、色の名前、植物や動物の学名、宗教用語、石や宝石の名前、気象用語、薬の名前… 賢治が“百科全書的詩人(エンサイクロペディック・ポエット)”と呼ばれる所以である。 ただ面白いのは、この辞典の内容が定説・正解であるとは限らないということだ。 作品の解釈において、未だに議論が続いているものも多い。 賢治ファンならわかると思うが、賢治作品に“定稿”というものは存在しない。時間の経過に伴って“そのときどきの定稿”があるからだ。 その中のどれをテクストとして採用するかも自由である。 たぶん私も、勝手にこうだと思って読んでいるところもたくさんあるのだろうけれど、それでOKなんだと思う。 そんな時に手助けになる本書は頼もしい味方だ。 なんとなくパラパラと眺めているだけでも楽しい。 まくらにもなる。(しませんが…) 賢治オタク必携の書。
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分類ー宮沢賢治(研究・辞典)。99年7月(00年8月、2版が出ている)。(参考)宮沢賢治推奨サイト→http://www32.ocn.ne.jp/~gaido/miyazawa/index.htm
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