商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 扶桑社/ |
発売年月日 | 1999/08/30 |
JAN | 9784594027247 |
- 書籍
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産めない女に価値はない?
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産めない女に価値はない?
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あらゆる不妊治療のエピソードを集めたインタビュー集。不妊治療を経験した身(こども2人とも人工授精)からすると、本当に身につまされるエピソードばかりだったのだが、幾分我々はまだ時代に恵まれたかもしれないな。DINKSをはじめとして、結婚そのものに消極的であっても市民権得られるような...
あらゆる不妊治療のエピソードを集めたインタビュー集。不妊治療を経験した身(こども2人とも人工授精)からすると、本当に身につまされるエピソードばかりだったのだが、幾分我々はまだ時代に恵まれたかもしれないな。DINKSをはじめとして、結婚そのものに消極的であっても市民権得られるような風潮がある現代はまだ不妊治療を続ける皆様にとって居場所があるなとは思う。 印象的だったのはなんで子供が欲しいのかって聞かれた時に「好きで結婚したんだからこどもがいなかろうが、相手さえいてくれればいい。でも……そんな夫婦なのだからもしもこどもがいたらもっと楽しいだろうなぁと思ってしまう」ってのがリアルだった。そりゃそうよ。そりゃ本当にそう。タイミングはあると思うけど、望まれたこどもを産んで後悔することなんてほとんどないのよね。 ほんとこの世に生を受けてすぐ、人間社会には何十枚と「不審物除去フィルター」があってですね。先天性疾患の有無にはじまり家庭の歪み、いじめ、貧困、進学、就職、そして不妊とあらゆる不幸に触れた少数の人間がまるで凸凹をならすように削られていくわけです。生き残った大多数が人間社会の主役として大多数のために社会を作っていく、それはもう生物としての本能だと思うので、もうそこを責めてはいけない。 問題は当事者になってしまった時の心の持ちようで、順風満帆に来て結婚までした人間が、ある時から奈落の底に落とされてしまう。そしてそれに対する理解もない(病気や貧困に比べて)という厄介なカテゴリーなんだよね不妊って。あと病気や貧困に比べて、不妊はイメージと実際のギャップが大きすぎるのも問題。配慮に欠ける言動をよこす人間の大半は不妊治療の実際を、当事者が思う以上に知らないはず。逆を言えば、病気や貧困はイメージと実際に程度の差こそあれ内容に乖離が案外ないんじゃないか。だからこそ不妊に対する軽々しい言動とそれに対する猛烈な反発心が生まれ、双方に悲劇が起こってしまう訳。 この差ってね、難しいよ埋めるの。注射痛いんだよ?打って終わりじゃないしその後も苦しいし、やれば必ず上手くいく訳でもないから先も見えないし、お金もかかる。生理きた時の落ち込みようとか半端じゃなかった。見ててかわいそうだった。青い服を着たちいさな男の子が出てきてパパこっちだよーって先を走っていく夢を見て飛び起きた朝なんか、さめざめと泣いてしまったよ。ひとりでも苦しんでる人が身近にいるなら、こどものはなしなんか出来ないよ。気を遣われすぎるのを嫌がる人もいるだろうけど、自分という人間の品格を落としたくないから、絶対その話はしない。そのレベルで不妊はキツい。 このギャップが埋まるには、悲しいかな不妊の人間が増えて声が上がっていくことしかないんだよな。医療技術はその逆に向かって進んでいるし、絶対的、相対的な不妊人数が増える見込みもない。苦しいね。泥沼だよ。こどもいなくてもいいって前を向ける人が増えることは喜ばしいけれど、やっぱりこどもを望むなら絶対にいたほうがいい。不妊の人数が減ればいいけど、不妊で苦しむ人の声は聞こえなくなる。そのジレンマはどれだけ考えてもうまく昇華できないなぁ。
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