百年の孤独

ガブリエル・ガルシア・マルケス(著者), 鼓直(訳者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 1999/08/25
• JAN: 9784105090081

商品レビュー

2024/07/13

文庫化という事件に便乗して読んだ。ある一族によって開かれた村の繁栄と滅亡は、同じ名前を持つ息子や孫たちがそれぞれ時代を変え、妻や娘が守り、娼婦たちが占うことでその運命が変わる。呪術と科学、野性と文明、生者と死者が交錯する混沌さに取りつかれて、後半は一気に読んでしまった。愛なき孤独にはなぜか源氏物語が重なり、百年という時間の後に残された無常感に平家物語に似た思いも感じる。南米文学に憧れつつも読書に挫折した若い頃ではなく、年を経た今だからこそ読み通せたのかもしれない。最後まで読んでまた冒頭から読み直したくなったが、少し時間をおいて、文庫でまた読もう。

2023/02/07

これは凄かった。
まず独特の世界観がすごい。現実も非現実も一緒になり、自分も異世界の住人になったような気にさせられる。
語り部がとうとうと読んで聞かせるような文体は、これを読んでいると催眠にかかったように物語に引き込まれていく。

2022/11/23

マコンドという村を作ったホセ・アルカディオ・ブエンディアを始祖とするブエンディア一族とマコンド村の興亡を描いた百年にわたる物語。

数多の現実的・非現実的なエピソードが次々と描かれるが、語り口は淡々としている。一族の者が同じ名前を名づけられるので混乱するのにくわえ、物語全体が長いので読むのに苦労した。読み終わるのに一ヵ月近くかかった。