商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社/ |
発売年月日 | 1999/06/25 |
JAN | 9784087744125 |
- 書籍
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蘆屋家の崩壊
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蘆屋家の崩壊
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猿渡さんの物語です(p.229)[内容]猿渡と伯爵が出遭う怪異/そのトンネルでは中古車に乗っていると不思議な目に遭うらしい/猿渡が学生の頃に半ば恋人だった女、遊離子の実家は…/猫背の女が怖い/おぞましい姿だが美味い紅蟹/女優の実家がある村はこの二十年間しじゅうどこかの家で事故が起...
猿渡さんの物語です(p.229)[内容]猿渡と伯爵が出遭う怪異/そのトンネルでは中古車に乗っていると不思議な目に遭うらしい/猿渡が学生の頃に半ば恋人だった女、遊離子の実家は…/猫背の女が怖い/おぞましい姿だが美味い紅蟹/女優の実家がある村はこの二十年間しじゅうどこかの家で事故が起こりだんだん退廃している/虫を食って死にかけている男/恐怖という感情の蓋が外れた[感想]怪奇もの、というより、こわいはなし集。
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先日〈たまさか人形堂〉シリーズを読んだら別のシリーズも読みたくなって再読。 久しぶりの〈幽明志怪〉シリーズだが、やはり面白い。そして怖い。 『三十路を越えて未だ定職につけずにいるようなぐうたら』猿渡と、『怪奇小説を書くことで』『その筋では有名らしい』「伯爵」(本名は出てこない)...
先日〈たまさか人形堂〉シリーズを読んだら別のシリーズも読みたくなって再読。 久しぶりの〈幽明志怪〉シリーズだが、やはり面白い。そして怖い。 『三十路を越えて未だ定職につけずにいるようなぐうたら』猿渡と、『怪奇小説を書くことで』『その筋では有名らしい』「伯爵」(本名は出てこない)のコンビが様々な怪異に遭遇する連作集。 カテゴリはホラーにしたが、ミステリーのようでもあり伝奇のようでもあり、猿渡と伯爵との友情物のようでもある。二人の共通項が『無類の豆腐好き』というのが新鮮。また猿渡の飄々とした語り口にも救われる。 「反曲隧道」 『嘘のように安い』車には裏があるということか。車にまつわる怪異が続くと運転が怖くなりそうなものだが、猿渡は気にしないらしい。 「蘆屋家の崩壊」 勿論かの有名な作品のもじりなのだが、中身は蘆屋道満と安倍晴明を巡る義太夫節に絡めてある。なまめかしい部分とサスペンス要素があり、最後は元ネタと同じように着地する。 「猫背の女」 作中一番怖い話。猿渡って案外モテるのか? だがこんなモテ方は嫌だ。この話に出てくる伊与田にも後にこんな運命が待っているとは。 「カルキノス」 これは結局のところどういう話なのか。迷信というものを馬鹿にしてはいけないという教訓か。癌=cancer=かに座というのを初めて知った。 「ケルベロス」 こちらは古事記とギリシア神話とが絡む。こういう閉鎖的なコミュニティだとどうしても金田一シリーズのような事件を期待してしまうのだが、こちらは話が違う。その後が気になる。 「埋葬虫」 こちらも『黄金虫』のもじりらしい。個人的にはコミック「悪魔の花嫁」の『シデムシ』の話を思い出してしまう。古くてすみません。先に書いた猿渡の友人・伊与田が再登場。彼のその後も気になる。 「水牛群」 これまでどんな恐ろしい目に遭ってもどこか呑気に見えた猿渡が苦しんでいる。その根源は怪異ではなく、実にリアルな世界でのリアルな理不尽だった。あとがきによるとこの時期津原さんもまた苦しんでいたらしい。 そんな猿渡を救うのはもちろん伯爵だが、もう一人いた。身体的にはひどい目に遭っているが、精神的には持ち直したと言えるのだろうか。 先に書いたように猿渡は定職に就いていないが、度々車を買い替えているし、度々伯爵と豆腐を食べに遠方までドライブしているし、むしろ生活に余裕があるのではとうらやましく思ったりする。 ちなみに猿渡の車の変遷は、「反曲隧道」サニー→シトロエン「蘆屋家の崩壊」フィアットのパンダ「カルキノス」ビートル「埋葬虫」三菱デボネア。 だがこれらの愛車たちも猿渡同様大変な目に遭っているので、この変遷も仕方ないのかと思うところもある。 最終話、伯爵の言葉で猿渡の人生も変わるのだっただろうか。続きも読んでみよう。 ※シリーズ作品一覧 ①「蘆屋家の崩壊」本作 レビュー登録はこちらのみ ②「ピカルディの薔薇」 ③「猫ノ眼時計」
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面白かった。怪奇短編集で、読みやすく、どの話も怪しい輝きを帯びていて楽しく読めた。独特のキャラクター、語り口調、雰囲気に引き込まれた。難読漢字が多かったがそれも雰囲気を形成する一助になっており良し。
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