グローバリゼーションの時代 国家主権のゆくえ 平凡社選書191

サスキア・サッセン(著者), 伊予谷登士翁(訳者)

• 販売会社／発売会社: 平凡社
• 発売年月日: 1999/05/20
• JAN: 9784582841916

商品レビュー

2021/03/16

グローバリゼーション-国際経済・国家・移民などの関係性や、それらの関わり合いのもたらす影響について解説された論文。
特に移民に関しては、移民のメカニズムそのものがグローバル化の中に組み込まれており、単に移民それぞれの意思によって動かされているものではないという指摘は鋭いと考える。
また都市に関しても、メガシティと呼ばれる各都市の内部はグローバル化の影響を多分に受けており、エリート・貧困層・移民の入り混じる環境とヒエラルキーは、まさにグローバリゼーションの生み出す産物である。

2011/04/19

エレクトロニック空間においておこった多くの経済活動の増大。エレクトロニック空間は既存の領土的管轄権の全てを乗り越えるものである。さらにこうした経済活動のバー茶利是ーションの増大、とくに金融や専門家した企業サービスのような主要情報産業における仮想実質化の増大は国家と経済制度の双方の能力を超えるような支配的な危機を招くかもしれない。
国民国家とグローバル経済を総販する運動として定義することは非常に問題である。多くのグローバルな規模で金融資本の超高速異動を可能にしたインフラはおのおのの国家領域に作られる。
新しい情報技術は金融市場に瞬時に送信と相互連結性、そして迅速性をもたらした。
出身コミュニティとの間にエスニックな結びつきが確立し、それが移民の流れの開始後は極めて重要になり、移民の系座億を保障するものとなる。

2011/02/15

グローバリゼーションと国家との関係について、従来言われてきたように、グローバリゼーションが単に国家の衰退をもたらすものではなく、ある面では強化するような、国家の変容をもたらしているのであるとする内容。

グローバリゼーションという流行語にまどわされることなく、法や制度の面から落ち着いて分析できていると思う。