商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KTC中央出版/ |
発売年月日 | 2005/11/16 |
JAN | 9784877583545 |
- 書籍
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ウズベキスタンの桜
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ウズベキスタンの桜
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商品レビュー
3.6
6件のお客様レビュー
先日、ウズベキスタンから訪日した方々を目にする機会があった。その人たちの顔を見て驚いた。もちろんロシア人風の鼻が三角定規のように高い人もいたのだが、大阪のおばちゃんにしか見えない風貌の女性がいらっしゃった。テルマエ・ロマエのローマ人から「平たい顔属」と呼ばれてもいいような顔だった...
先日、ウズベキスタンから訪日した方々を目にする機会があった。その人たちの顔を見て驚いた。もちろんロシア人風の鼻が三角定規のように高い人もいたのだが、大阪のおばちゃんにしか見えない風貌の女性がいらっしゃった。テルマエ・ロマエのローマ人から「平たい顔属」と呼ばれてもいいような顔だった。 日本人のルーツは原日本人の縄文人に東南アジアやアジア大陸からの移入により混血されたなど諸説あるが、遠いウズベキスタンからも人種レベルでの流入があったのでは?とうかがわせるに足りる衝撃の発見だった。 果たして、1999年にウズベキスタン大使として着任した著者が空港に着いた時も、似たような感想を懐いている。「ウズベキスタンの人々の顔つきは私達日本人とよく似ていると聞いていましたが、そのとおりです。仕種も日本人と同じ、いや、もっと穏やかで素朴でした…すれ違う時、話しかける時、待合室への出入りの時、ウズベクの人々は遠慮します。「どうぞご遠慮なく」とつい声をかけてしまいました。」(P16) 正直に言うと、地球儀を前にしても最近まで私はウズベキスタンがどこか、正確に指し示すことができなかった。だがこの本で著者は、バザールでの押しつけがましくない人懐っこさや、名産のシルクの織物などでうかがえる手先の器用さなど、ウズベキスタンで見られる日本人との共通点を多くあげてくれている。 そしてウズベキスタンの人々は、敗戦にもかかわらず自国の文化を守りながら奇跡的に復興し成長も遂げた日本を、自国の進むべき目標として見ているという。多くの日本人があまりよく知らない中央アジアの国から、熱烈なラブコールが送られているのだ。 したがっていったんトップを走ったものの後続に追い抜かれてしまっている日本人も、先輩としての視点から、後ろを走るウズベキスタンを改めて詳しく知るべき情勢なのかもしれない。ちなみに日本のことを「先輩」と書いたが、世界史の教科書では、逆に彼らの住む地域の記述のほうが先に出てくるのは事実だ。お互いに違う立場から、学ぶべきところは多いと感じられる。 それと著者が元大使という立場上、外交上の政治的駆け引きもこの本では散見される。ウズベキスタンは日本を先輩とみる姿勢はあるものの、中国の存在は絶対に無視できない。また韓国や台湾の存在など、当然東アジアの他国へもラブコールを送っているはずである。 中山さんが外交上の戦略を含めて第三国との力関係を踏み込んで書けないのは承知しているが、それらとの駆け引きの難しさなどをより踏み込んで書いてくれれば、無知な日本人も差し迫った問題としてウズベキスタンのことを深く理解しようとするモチベーションになり得たのかな、とも思う。 だがそれを差し引いても、著者着任直後の隣国キルギスでの日本人拉致事件や、元抑留者などの日本人の墓地整備と桜の植樹に奔走した章は読みごたえがあった。 著者がこの本でスタッフやウズベキスタン関係者などに関して礼を尽くした書き方をしているように、何か特別な仕事の成功の鍵は、“みこしをかつぐ”人たちの多大なる尽力の存在だろう。つまり私が言いたいのは、仕事を成し遂げるのは、人間一人の力ではなく、名前が出ない人たちの支えがしっかりしているか否かによって決まるということだ。 だから一方で、この本の最後が森喜朗元首相の話というのはしっくりこなかった。 この人はみこしをかついでいる人じゃなくて、自分に利益をもたらすのがはっきりと見えるような、いわゆる“取り巻き”のみを大事にしていると感じ取れるから。だから好き放題言える。みこしを担ぐ人の肩の重みを普段から理解している人ならば、そのような振る舞いはできない。 まあ、私は森喜朗の話で終えるのは嫌なので、最後に冒頭に戻って私が見たウズベキスタンからの訪日グループの話で閉めたい。 私は少し離れたところからグループに向かって手を振ってみた。そしたらそれに気づいた1人の女性が大きく手を振り返してきた。その笑顔はやはりどう見ても、大阪のおばちゃんだった。
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本書によれば、ウズベキスタンのひとびとは、遠慮深く(これは大使相手だからかもしれないが…)、勤勉で、思慮深く、親日的で、治安もよく、非常に良い印象。 但し、イスラム現地主義との関係に苦労を多くして、それが国を急速に発展させられない(急転させられない)ということを招き、「漸進主義...
本書によれば、ウズベキスタンのひとびとは、遠慮深く(これは大使相手だからかもしれないが…)、勤勉で、思慮深く、親日的で、治安もよく、非常に良い印象。 但し、イスラム現地主義との関係に苦労を多くして、それが国を急速に発展させられない(急転させられない)ということを招き、「漸進主義(gradualism approach)」をとっているという説明には、説得力があり、考えさせられた。 ほかにも、食文化や産業、インフラ、等々含めて、この国の概要はよくつかめた。流石である。初学者むけにきわめて「わかりやすい」ウズベク入門書、と言ってよいだろう。 戦争をうけたの日本との関係(抑留、ナヴォイ劇場、そして日本人墓地)のことも重要だし、韓国との特別な関係というのも本書でやんわりとだけ触れられていた。 それに気づけたのも本書を読んだおかげ。 ・・・とはいえ、現地を訪問するにあたっては、あまり本書のイメージから先入観を持たず、ある意味で頭をクリアにして旅をしたいところ。
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ウズベキスタンのナヴォイ劇場は日本兵が作った。当時の日本兵の働きに感謝するウズベク人が多いのは日本人としても誇らしいこと。
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