1,800円以上の注文で送料無料

抑うつの臨床心理学 叢書 実証にもとづく臨床心理学2
  • 新品
  • 書籍
  • 書籍

抑うつの臨床心理学 叢書 実証にもとづく臨床心理学2

坂本真士(編者), 丹野義彦(編者), 大野裕(編者)

追加する に追加する

抑うつの臨床心理学 叢書 実証にもとづく臨床心理学2

3,740

獲得ポイント34P

在庫あり

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京大学出版会
発売年月日 2005/11/21
JAN 9784130111188

抑うつの臨床心理学

¥3,740

商品レビュー

5

1件のお客様レビュー

レビューを投稿

2010/08/22

「叢書 実証に基づく臨床心理学」の2冊目。抑うつに関する研究をまとめたものです。抑うつについてこれほどよくまとめられたテキストはないのではないか、というくらい過不足のない内容になっていると感じました。 まず1、2章では「抑うつ」の概要や研究動向など基礎的な部分の確認をしていきます...

「叢書 実証に基づく臨床心理学」の2冊目。抑うつに関する研究をまとめたものです。抑うつについてこれほどよくまとめられたテキストはないのではないか、というくらい過不足のない内容になっていると感じました。 まず1、2章では「抑うつ」の概要や研究動向など基礎的な部分の確認をしていきます。特に1章では「抑うつとはなにか」という問題を設定して丁寧に解説しています。本書は「抑うつ」という語に「抑うつ気分」「抑うつ気分を中核とする症状」そして「うつ病」という3つの意味があることを指摘ます。そして同時に、あふれんばかりに存在する「抑うつを測定する尺度」にはそれぞれベースとなる理論や測定する対象などに特徴があるということを、使用者が充分理解しておくべきだと注意を促します。こうした指摘は臨床領域に携わる人のみならず、心理学関連の領域にいる人全てに当てはまるものでしょう。質問紙方式の尺度は簡単に実施できるため、ついつい尺度の理論的背景などを深く考慮せずに使ってしまいがちです。あまつさえ、「操作的定義」という語を免罪符のように用いて「この尺度で測定しているのが抑うつだ」などと安易に記述してしまうこともあります。こうした姿勢が実はとても危険であるという認識を、私たちはもう一度持たなければならない。1章を読んで私は、自己反省を込めてそう思いました。 続く3章以降ではさまざまな視点からの抑うつの基礎研究を取り上げています。特に神経科学の視点から抑うつを考察した3章、親子関係からアプローチした7章、パーソナリティと抑うつの関連を扱った8章は、個人的に注目している分野だったり、新しい視点を与えてくれたりと、とても参考になりました。それ以外の章も最新の研究動向などを踏まえたレビューをしていて、抑うつへのアプローチがさまざまな角度からできることを教えてくれます。代わって9章から13章では抑うつの治療と予防の実践がまとめられていて、医療現場や大学での実践、医師やほかの専門職と臨床心理士との連携、地域における予防政策、うつ病患者の職場復帰など、臨床家としてはぜひ知っておきたい内容ばかりです。 基本的には臨床家向けのテキストという編集姿勢を貫いているこのシリーズですが、本書は特にその姿勢が強く感じられました。私は抑うつの臨床にかかわったことはありませんが、本書で記されている内容は、明日からの実践にすぐに役立つものばかりなように思います。 (2009年5月入手・2010年8月読了)

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品